無料ブログはココログ

« 「危険な情事」 | トップページ | 政権交代と医療(62)  乙四郎元官僚語録 »

2009年11月16日 (月)

医療保険給付のいろいろ   乙四郎元官僚語録

保健医療経営大学学長

 橋爪 章

2009 年 11 月 16 日 月曜日

<公費負担医療について>

医療に要する経費の大部分は医療保険制度によって支払われ、それ以外は自己負担が原則ですが、社会福祉や公衆衛生の観点から、国又は地方公共団体が特定の対象者に対して、公費によって次のような医療給付を行なっています。

1.(戦傷病者や原爆被爆者に対する医療など)国家補償的意味を持つ場合

2.(結核や一類・ニ類感染症に対する医療など)社会防疫的意味を持つ場合

3.(身体障害者への医療など)社会福祉的意味を持つ場合

4.企業活動に基づく公害病の場合

5.難病の治療、研究を目的とする場合

(主な公費負担医療制度)

子供の医療

養育医療:入院を要する未熟児に必要な医療

療育の給付:18歳未満の結核児童に入院治療

自立支援医療(育成医療):18歳未満の身体障害児に対する医療

小児慢性特定疾患の医療費助成:小児慢性疾患のうち治療が長時間にわたるもの(がん、ぜんそく、膠原病、血友病など)

身体障害者の医療

自立支援医療(更生医療):障害者の社会復帰のために必要な医療

結核の医療

適正医療:結核の一般患者の医療

命令入所:結核を伝染させるおそれが著しい患者の医療

精神障害の医療

自立支援医療(精神通院医療):精神障害者の通院医療

措置入院:自身または他人を傷つけるおそれのある患者の医療

感染症の医療

新感染症:都道府県知事が厚生労働大臣の指導・助言を得て個別に応急対応する感染症

一類感染症:ペスト、エボラ出血熱等の医療

二類感染症:コレラ、細菌性赤痢等の医療

特定疾患の医療:いわゆる「難病」のうち、原因不明、治療法未確立かつ後遺症を残す疾患(ベーチェット病、クローン病など)の医療、日常生活に著しい支障のある重症患者(スモン、劇症肝炎、重症急性膵炎、プリオン病など)の医療

予防接種被害の医療

救済措置:認定された健康被害者への医療

医薬品被害の医療:医薬品・生物由来製品が適正に使用されたにもかかわらず、有害な副作用により疾病となった者への医療

生活保護

医療扶助:生活困窮者の傷病への医療

戦傷病者の医療

療養の給付:軍人軍属などの公務上の傷病への医療

更生医療:戦傷病による障害者の社会復帰のために必要な医療

原爆被爆者の医療

認定疾病医療:原爆症の医療

一般疾病医療:被爆者の傷病に必要な医療

石綿による健康被害の救済

救済給付(医療費の支給):石綿による健康被害で指定疾病(中皮腫、肺がん)にかかった者で、労災補償等の対象にならない者

その他

麻薬中毒入院措置

中国残留邦人

心神喪失

肝炎治療特別促進事業

重度心身障害者医療費助成

ひとり親家庭医療

こども医療費助成

このほか、公費負担医療ではありませんが、自己負担がない医療として、公害病の医療があります。著しい大気汚染、水質汚濁の影響で指定疾病にかかった者への医療で、全額汚染原因者が負担します。

交通事故医療も、自動車保険でカバーされなければ、全額、加害者負担です。

「学長のひとりごと」より転載しています。
「社会保障制度概論」をすべてよむ:http://www.healthcare-m.ac.jp/app/gm/archives/category/%e7%a4%be%e4%bc%9a%e4%bf%9d%e9%9a%9c%e5%88%b6%e5%ba%a6%e6%a6%82%e8%ab%96

▼かささぎのひとりごと

この全体像を一度みたかったので、非常にありがたし。

水俣病の保険証をさいきん拝見しました。
熊本県、と請求先が書かれていました。
患者さんがおっしゃるには、医療機関が県にレセプトを提出するのではなく患者さん本人がレシートで自己申告して請求、県は限度額の範囲内で払い戻す方式であるようでした。

医療事務員はたくさんの医療保険種別と公費助成の負担割合、これを間違いなく処理しなければなりません。すべて番号(と文字)ですから、見間違わないように打ち込みます。ミスがひとつでもあれば、請求用紙(レセプト)は戻ってきますので、もともと二~三ヶ月のずれがある振込みがさらに遅れます。仕事が暇な折々に違う目でなんども見直します。

これは整骨院だけのことなのか、レセプトに患者さんご自身のサインをいただきます。記名は被保険者本人のもの、ときに家族であるのに間違ってご自分の名前を書かれることがあり、それを常に確認する必要があります。

公費助成がある保険証だと、二枚書いてもらう。提出先が二箇所という意味です。
丁度のときに乙四郎先生からこのような講義を習おうとは。

▼コラム風コメント
「板付基地の返還」

我々が小さい頃は、福岡にも「基地の街」がありました。
板付基地です。
昭和19年に旧陸軍が建設した席田(むしろだ)飛行場が、1945年に米軍に接収され板付基地となり、朝鮮戦争時には前線出撃基地となっていました。
昭和43年、ファントム偵察機が九州大学に墜落炎上しました。
昭和45年のよど号事件の頃も、空港名は板付空港でした。
返還されたのは昭和47年4月で一部占有地域(西側の格納庫周辺)を除き返還されました。

場内誘導路、滑走路は日米共同使用で、米軍佐世保基地への軍用物資輸送の中継基地になっていますが、日米地位協定により、米軍機は、日本政府管轄下の飛行場であればどこでも着陸1時間前に管制塔に通知すれば利用できますので福岡空港だけのことではありません。

なお、敷地の一角には航空自衛隊春日基地板付地区、海上保安庁第七管区海上保安本部福岡航空基地、福岡県警察航空隊、福岡市消防局航空隊があるので、「基地」の雰囲気はいまだ漂っています。

さて、なぜ板付基地については「返還」が実現できたのでしょうか?

経緯は、国家総動員法による強制収用を理由に、旧地主から返還要求があったため。
軍に小作権放棄を僅かな離作料で迫られて離農させられた耕作者組合も小作権存在確認の訴訟を起こしました。最高裁判所の判決要旨は、軍の離作補償が1年分の農作物価格であり、補償金としては低額で補償としては認め難いというものでした。
空港告示面積353haのうち、116ha(109haが民有地、7haが福岡市の所有)は空港が借り受け、借地料が歳出の3分の1を占めています。また、住宅防音対策工事・テレビ受信障害対策などの環境対策費も他の空港より格段に多いようです。
福岡空港が利用度の割に採算が悪いのはこれらのせいです。

普天間飛行場も、本土の飛行場と同様の理由で「返還」されるべきところ、本土との扱いが違うようです。

では、いつごろ福岡空港という名前になったのでしょう。よど号事件のときはまだ板付空港だったのですか。へえー。覚えていません。が、じぶんがあの空港に就職した昭和五十年には福岡空港でした。
福岡空港は一般住宅地の上を旋回しての離発着がありますので、あぶないものがあります。
ひさしぶりに席田と書いてむしろだ、という地名をみました。むしろだしょうがっこうってあった。長男はその隣のつきぐま小学校に三年生になるまで通いました。一年生にあがる前のプレお遊戯会は弥生小学校で、板付小学校の隣でした。あのあたりは日本最古の稲作跡の遺跡が残っているところで、だからこその弥生というなまえなのですが、水田地帯だったところを埋め立ててできた街ですから、土地が低く、雨がふればすぐに道路が冠水していました。
事故がありましたよね。ガルーダ航空機のだったか。
あのとき、ともだちの家まで破片がおちてきたといいます。
市街地の空港はおそろしいです。

地域学:
福岡市立弥生小学校名前の由来
http://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/elyayoi/
福岡市立月隈小学校名前の由来
http://www.fuku-c.ed.jp/schoolhp/eltukigm/tukigumanoyurai/tukigumanoyurai.html

寛治元年1091年。中秋の名月の夜。源経信。
琵琶をかき鳴らし。つき()の木。
校庭にはちゃんとこの月隈のいわれを書いた説明板があります。

伊丹空港にまつわる記憶。
石橋秀野を調べていたことがあります。
秀野が松江疎開時代に旧制松江高校で俳句指導をしており、高校生だった世古諏訪氏がいた。その世古氏と旧ねこみの主宰・東明雅師夫人の郁子氏とが俳句での師弟関係にあられたことを、かささぎは八女戦国百首和歌の解読作業をやっていたころ、ぐうぜん教えてもらいました。
とてもおどろきました。あちらもそのようでした。
さらに驚くべきことに、世古氏の奥様は伊丹柿衛文庫の主、岡田家の出でした。伊丹空港の広大な敷地は旧伊丹市長も務めた酒造家の岡田家が所有していた。それをりべえさんは全部手放した。すべて俳諧史料を買うために・・。
屈指の俳諧コレクションとして名高い柿衛文庫にかささぎは二回もいきましたが、それはこんな俳縁が下にあったからなのでしょうか。(姫野恭子)

« 「危険な情事」 | トップページ | 政権交代と医療(62)  乙四郎元官僚語録 »

コメント


すごく面白いブログですねっ!
これからも頑張って下さい!

検索サイト Yahoo  検索ワード 整骨院 水俣病 医療助成費支給申請書

4位くらいです

そういえば、今朝の朝刊、俳句月評谷口慎也先生の文章とおなじ頁に、石牟礼道子氏のとても深い無常の詩が載っていまして、感動を覚えました。
ことばが深い地の底から出ています。あるいは、天涯から来ています。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 医療保険給付のいろいろ   乙四郎元官僚語録:

« 「危険な情事」 | トップページ | 政権交代と医療(62)  乙四郎元官僚語録 »

最近のトラックバック

2020年7月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31