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2009年9月 9日 (水)

政権交代と医療(10)  乙四郎元官僚語録

保健医療経営大学学長 

 

  橋爪 章

民主党政策集では、新しい医療技術、医薬品の保険適用の迅速化にも言及しています。

製造・輸入の承認や保険適用の判断基準を明確にして、審議や結果をオープンにし、その効果や安全性が確立されたものについて、速やかに保険適用します。

保険適用によって従来の医薬品の限界が突破できるのであれば、おおいに推進すべき政策でしょう。

旧政権からの政策そのもので、別に政策転換というわけではありません。

むしろ、民主党政策集に堂々と掲げられていることに、若干の違和感があります。

医薬品の承認審査については、過去の多くの薬害事件に関し、民主党のスタンスは相当に厳しかったはずです。

承認時点での知見では効果や安全性が確認されて迅速に承認されたのだが後になって薬害事件を引き起こした医薬品について、その承認プロセスを相当に問題視してきた政党です。

承認に時間を要している申請薬には、安全性や有効性において既承認薬との比較優位の証明が悩ましいものが少なくありません。

製薬メーカーも、開発コストの回収のため、優位性に乏しいからといって申請を取り下げたりはしません。

かろうじて、ごくわずかな優位性をもって承認に漕ぎ着けている医薬品がたくさんあります。

それらは、一旦承認されたら、高い薬価が付けられ、特許権が消滅するまでは後発医薬品に置き換わることもなく、医療費高騰の一因となるのです。

流通後に安全性の問題が浮上してきたものもたくさんあります。

すべての承認について迅速化を謳えば製薬メーカーは大喜びですが、我が国は、医薬品の承認と流通に関し、多くの苦い経験を重ねてきたことを忘れてはなりません。

国民への福音となる画期的新薬に限定して承認・保険適用の迅速化と流通後のモニターの充実を図り、他は承認を焦らない、というのが本来あるべき姿であろうと思います。

新政権の試金石は、新型インフルエンザワクチンの輸入承認です。

1万人に1人しか重篤な副作用をきたさないようなものであっても、1千万人へ接種すれば1千人が重篤となります。

安全性の確認には時間がかかります。

今シーズンは見送って既承認の国産ワクチンだけで乗り切るか、多少の安全性の不安には目を瞑って承認を急ぐか。

従来の民主党のスタンスだと前者でしょうが、新型インフルエンザ対策全般に責任を負う政権党の立場での決断はどうなるでしょう。

「学長のひとりごと」9月9日付記事

コメント:

やっと政治主導の危うさの報道が出てきました。
本日の読売オンラインより
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「官僚依存脱却」を掲げて政権に就く民主党は、議院内閣制の本家・英国の「政治主導」を参考にする姿勢を示している。
 だが、英国では、閣外相や大臣政務官など各省庁に配置している約120人の与党議員は「数が多過ぎ、行政の支障だ」と見直しを求める声があがっている。また、労働党政権下で進行した、首相への度を越した権力集中にも批判が集まっている。
 英国は19世紀以降に成熟した2大政党制で政権交代が当たり前になり、官僚に対する政治主導が定着した。
 ロンドン大学のジョージ・ジョーンズ名誉教授は「官僚はカメレオン。主人が替われば、新たな主人の色に身を染める」と話す。閣僚の打ち出そうとする政策が法律・規則に反していれば忠告するが、適法であれば政策転換を受け入れ、「主人に忠誠を尽くす」。だが、英国で今問われているのは、その政治主導そのものだ。
 「閣外相や政務官は不必要に多い。彼らは出世のために党幹部の目を引こうとし、ニュースの話題作りに躍起だ。官僚が巻き込まれ、行政が混乱している」
 下院行政特別委員会は今年6月、こうした証言を盛り込んだ報告書をまとめ、閣外相と政務官の削減が必要と指摘した。
 閣外相や政務官は、若き政治家の登竜門とされ、官僚を掌握しているか否かで出世が決まる。しかし、最近では、メディアで目立つために自分勝手な政策を口にする傾向が増した。とりわけ、18年も野党に甘んじた労働党が1997年に政権奪還してからは、論功行賞で起用された閣僚が実務に長じておらず、閣外相・政務官のスタンドプレーを抑えられなくなった。

国保と組合健保の差の理由。
半分だけ、ご名答です。
国保のほうが年齢分布が年配世代に偏っており、自由な時間があろうとなかろうと病気になりがち。
健診の受診状況も大きく違います。
企業で働いている人はほぼ全員、定期健診で血圧検査や尿検査の異常の有無を自覚していますが、自営業の人はそうとは限らない。病気で倒れてからわかることも多い。
人間、暇があってもなかなか受診しないよ、自覚症状がなければ。
むしろ、自覚症状があっても我慢したりする。
かささぎ仮説のようにせっせと受診してくれてさえおれば、早期発見、早期治療で医療費はかからなくなっていくはず。

そうか。しまった。
自営業の人たちは国保でありましたねえ。
その視点がまったく欠けていた。
予防医学ってそれほど大事なんだね。
自覚症状・・・父のがんですが、食欲がないってこととときにおなかが痛くなるという自覚が一月つづき、母のついでに検査したのでわかった。医者ぎらいで肋骨を折ってもひとりでなおしたくらいだから、あのまま放っていたら今頃はしんでいたかもしれない。

次の首相は、国連気候変動首脳級会合でCO2の25%削減目標を表明するのだそうです。
マニフェストにも、こう書かれています。

CO2等排出量について、2020 年までに25%減(1990 年比)、2050 年までに60%超減(同前)を目標とする。

地球の未来のためには、すばらしい英断です。
これが首相のリーダーシップというものでしょう。
景気が落ち込もうが、国民負担が増えようが、地球にやさしくあるべし。
そういう政治哲学があってもいいし、政権公約でもあるので閣内調整は不要だと判断されたのでしょう。
環境省は大喜びでしょうが、鉱工業や運輸など産業基盤の担当省は青ざめています。
旧政権だと、決して内閣で合意されることはなかったであろう方針です。
憲法第七十四条に、法律及び政令には、すべて主任の国務大臣の署名が必要だとされています。内閣総理大臣いえども独断専行できない暴走安全弁として内閣が機能するようになっています。

こういう人が総理になって、政治がこんらんしたとしても、みんなの責任。
えらんだのは国民です。
なんだか、うそざむい日々ですね。年配の患者さんはおなじことをおっしゃいます。かささぎの職場では、世間話をしなきゃいけないので。
きのう書いていた前期高齢者の再診料はなんと高貴高齢者とおなじく一割負担でした。でも、先生は来年から二割になるよ。といわれた。
それともうひとつ。
母子家庭とかささぎは書いていましたが、保険証には、ひとり親、と書かれています。ってことは、父子家庭でも保護費が支給されているのかな?どうも、知らないあいだに福祉てんこもり。過剰支援ではないのかなあ。増えるはずです、りこん。

きょう、高校時代の友人がふたり、わが家に来ました。おもな話題は、シュートメとしての心得について、そして、政権交代。
官僚批判も出た。

ねえ。乙さん。
事務次官ってだれが任命するの?
わたしはずっと各省庁の大臣が任命するんだと思ってた。総理大臣が任命するの?(新聞読め!っちゅうねん)

各省の事務次官の任命権者は各省大臣です。
でも、任免権を振り翳すと、某♀外務大臣のように大臣のほうが更迭されたりします。
内閣総理大臣の任命権者は天皇ですが、天皇は決して任免権を振り翳さないのと同じ。
任免に至るまでの意思決定ルールのほうが重んじられます。
各省の幹部職員は各省大臣の一存で自在に任免できる仕組みではなく、閣議による事前承認が必要です。人事案は閣議にかけられる前に、内閣官房長官(政治家)と官房副長官3名(衆議院議員1、参議院議員1、官僚OB1)で構成される人事検討会議による了承が必要です。その人事案は、各省(官僚)で調整済のものが提案されます。番狂わせは組織の和を乱すので、省提案が了承されないことはまずありません。
一般に、事務次官候補は、退任する事務次官がOBと相談して決めています。

>一般に、事務次官候補は、退任する事務次官がOBと相談して決めています。

はい、すこ~~んと納得しました。
任命権者はどうやって数多い官僚のなかから事務次官を選定するのだろうと、どうにも腑に落ちないところがあったのです。ありがとう。すっきりした。

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コメント

政権交代と医療シリーズは特にひとつひとつ言葉を理解しながら読んでいます。
今テレビでは民主党の政策を検証する番組が多いですが、ここまで細かく具体的な説明はありません。又こんな細かい部分を突っ込む記者もコメンティターもいません。(細かいけど一番大事な部分)
薬品の認可もあのとき早く認可されていたらとか、結果からの判断ですが、一億数千人の健康を守るためには相当の時間をかけて最大公約数の決断をされているんだなぁとわかりました。

乙さん解説で政治がますます面白くなります。

民主党は今までの密室政治を辞めて何でもオープンに・・・という感じがしますが、ブログなどでさらにこんな解説付きとなりますから、そういう時代なんだろうと思います。


社民党福島党首が、民主党との連立協議で、突っ張っています。
国民には「蟷螂の斧」のように見えますが、さすが護憲政党、入閣の意義を重く受け止めてのことと思われます。
憲法に基づき、内閣の意志決定機構は、多数決原理ではなく、全員一致が大原則。
すなわち、たった1人でも、反対してブレーキをかけることができるのです。
内閣総理大臣は、更迭という手段で拒否権発動を牽制することができますが、更迭イコール連立解消ということになりますので、入閣前にしっかり合意形成をしておかないと、ごたごたは必定でしょう。
日本国憲法は、この国を運営するための意志決定のルールを定めたものです。
新政権では、閣外に党主導の意志決定機構を設けるので閣内の少数意見は封じ込めれると本気で信じているのではないかと不安になります。
某民主党議員が、ある官僚が「国会議員なんて政策なんて作れないし予算書だってまともに読めない」と発言しているのをけしからんと憤慨していましたが、政策作りや予算書の読み方だけではなく、憲法も勉強してほしいと思います。
こういう基本を気付かせてくれた福島党首は「論功行賞」ものです。
(気付かないメディアは懲罰ものです。)

さくらさんのおっしゃるとおり。
ここのこのコメントの応酬が、なんとまあ、わたしたちに政治の本質的なところを語ってくれることか。かささぎさんちって、学習の館だわ。

福島党首。土井たかこさんと違って、なにかもうひとつぴりっとしたもんがない、と常々不満に感じていたのです。土井さんの時代ならもっと人をひきつけるものが、そのオーラがあったろうにと。でも、彼女、よくがんばってると思う。
彼女が入閣してなんのやくに立つのよと思っていたのですが、これを読んで、おっ、みずほちゃん、がんばれ!という気がしてきた。


ところで。また、質問。
首相補佐官を社民・国民新党の国会議員から選出して出すという、国民新党の案。まさか実現はすまいと思うのですが、これの思惑(亀井さんの思惑とするところ)についてと、首相補佐官こそ官僚でなくてはならないのではないかと思う、そんなわたくしの素朴な疑問について教えてください。

首相補佐官は、首相への政策アドバイサーというだけで特段の権限はありません。
補佐官に影響されるもされないも首相の度量次第ということになります。
官僚だろうが政治家だろうが民間人だろうが、常勤か非常勤かで登用されます。誰も登用しない、という選択も可。

首相補佐官に呼び出されて、イラクの復興援助に関する意見交換をしたことがあります。
イラク問題担当の岡本行夫さん。
外務官僚だったが、湾岸戦争時に外務省が自衛隊の海外派遣を見送ったことに抗議して辞職した伝説の人。
外務省に後ろ足で砂をかけて飛び出した人であるのに、首相は補佐官に登用したりします。
小泉首相の外交姿勢の影に、岡本イズムが垣間見えます。
   ↓

ははあ。結局、その人の個人的資質が買われるということなんですね。政策アドバイザーってことは、ひとつの分野を極めたエキスパートというだけでなく、、多角的な知識や先見の目ももとめられるってことでしょうか。エキスパート集団か。想像つかん世界だ。

おつしろうの解説をよんでいると、これまでへのつっぱりにもならんと思っていた政党にもちゃんと正当なる存在理由があったんだってきっちりとよくわかるよ。ありがとう。めがさめるようだわ。せいこがいうとおり、はじめて福島さんのよさがわかった。これまではずかしくうざいだけのひとでした。(むしろ、なんでだろ。)
とうろうのかまの訂正も産休縁まっち。

けっきょくさ。イメージだけでしかものをみていないのがよくわかるよね。人もものも。うわべだけ。

イメージだけでみている。
まさしく、おなじ。
うわべだけで、ほんしつをみていない。
めでぃあにまどわされる。
赤面ものだ。

ここで私が疑問に思うのは、社民党と民主党の議員数を比較した場合、雲泥の差ですよね。
全議席数からしても民社党は極端に少なく、国民の支持が少ないということでしょ?
それが入閣してひとりで突っ張ることが出来るってことは、国民の民意を反映していないことになりませんか?

まぎらわしい。民社と民主と社民と自民と。いまだにおぼえきれん。社会党が民社になったのだった?で、民主党は自民党の一派。まぎらわしいなまえつけんじゃねえ。
で、おつしろうの本意は、ただ揶揄していたんだ。

国民の少数しか支持していない政党が内閣の構成員になるというのは、民意の反映という意味では問題があるかもしれません。
圧倒的多数の支持を得た政党が主張の異なる党と連立するのは、有権者への裏切り行為だといえるかもしれません。
国会対策(多数派工作)の戦術としては「閣外協力」が無難なところですが、敢えて内閣に迎え入れた真意ははかりかねます。

なお、議席数は民意を素直に反映しているわけではありません。
小選挙区制は二大政党が議席を独り占めする仕組みなので、議席数は代表的な二つの価値観の反映だともいえます。ローカルな問題など世間の関心が乏しい課題の当事者の民意は反映していないかもしれません。
今回、社民党がこだわった沖縄問題は、沖縄県民が当事者です。沖縄県民の民意は、比例区の沖縄県内の政党別得票率に覗うことができます。
調べてみました。
1位 民主党 38.54%
2位 公明党 17.93%
3位 自民党 17.67%
4位 社民党 11.05%
5位 共産党  8.00%

社民党は、他都道府県より、大政党に肉薄しています。

ああ。
そういう見方をするわけ。
数字は雄弁だね。
ところで。かささぎのきがかり。
九州俳句になぜ沖縄が参加していないのだろう?沖縄があればいい。
理由。沖縄にいってみたいから。

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