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2009年7月26日 (日)

流れゆくものの蘇生  穴井太の山頭火

ほうたるの闇に戻りし山頭火   穴井 太

『行乞流転の旅人 山頭火の世界』
穴井太 著

小崎侃 版画
本多企画 発行
第一刷発行 1990・2・10
(写真は第四刷1992・10・30発行のもの)

流れだすもの流れしめ梅雨明ける 恭子

梅雨の雷むかしの音を連れてくる

じぶんは穴井先生のかなり特殊な生徒だった、とおもう。
句会にはいちども出ず、だれとも連携せず、ひとりだった。
てんらいにいた四年近く。
博多と戸畑はさほど遠かったわけではない。なのに師を一度も訪ねなかった。
遠くから見ていた、そして句(へたくそな)だけきちんと毎月五つ出して、あとは先生とはがきで文通していた。あんまり俳句とは関係ない世間話を。
穴井先生からの返信のはがきが沢山残っている。
しようもないことにもちゃんと答えてくださってる。

ゆうそらの雲のおばけへ花いちもんめ  太

在籍していた期間、いちどもあわなかった。
なぜだろうか。
なぜだろう。あいたいとはおもわなかった。

太師が共感をもって書かれた種田山頭火の本を、ひさびさに読み返し、師のこころの跡を辿る。
太師と出会ったころの自分は三十代半ばであった。
それから二十年近くたつ。
以前見えなかったものが見える。
太師が山頭火に重ねられたものの影がほのみえてくる。

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コメント

一番この本のなかで印象に残っていたのは、山頭火の母の井戸への投身自殺の描写でした。
それを十一歳ころに見てしまった山頭火のこころ。
穴井太師はそこのところをきっちりと引用されてた。
かささぎが「張形としての俳句」にこだわるのも、おなじです。山頭火の母上のきもちがよくわかるし、なんとかしてたすけてあげたいしいてもたってもいられないくらいせつない。
穴井太師は、そういう思いをいだかせる男のどうしようもなさの方へ同情の思いをよせておられます。

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