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2009年6月 9日 (火)

連句の花。

簡単そうで難しい。

歌仙「ややこ生る」の栞(しおり・初折)の花。

彦山からと呂伊利さんからと出していただいた。

いずれも初めて「句」を作られたもので、とっても思いのこもった作品です。

彦山句

1さみだれのかおりもいづるはなしょうぶ
2里の池ひっそりいきづくはなしょうぶ
3桜木の青葉の色もここちいい

呂伊利句(花一句、月一句)

1花散りしのちにめでたや葵っ子
2孫といて守りも楽しやルナ(月)の盆

* 1 葵・・・ややこの名前を織り込んでいます。
      (葵、アオイは夏。この名前、だれもマモルとは読めない)
* 2
  孫といて・・・頭韻は「ま」
  守も楽しや・・・頭韻は「も」
  ルナの盆・・・頭韻は「る」、と三句で「まもる」の名前をおりこみ、
 ぼんへの挨拶がルナ(月)の「盆」で尽くされています。
(一見なんでもない句に見えて、実はすごい凝った句。)

ここに二人の句が5句。
うち、連句人のつかう「慣用的なことばの意味」で花の句といえるのは、呂伊利さんの花散りしの夏の花句のみ。夏というのは葵が入っているからですが。
それは作品の出来いかんではなく、花とは何かという定義が連句の場合独特だからです。

花ということばを入れていなければ花ではない。
花しょうぶは花ですが、連句の花にはなれないのです。
桃も梅もチューリップも「さくら」でさえ、正花(しょうか)にはなれない。
花は花であって花でなく、なによりも花でなければならない。
イメージとしては桜がさいているすがたを描きつつ、花ということばで花をよむ。
と、はじめての人には説明されます。それでなんとかそのようにして入っていきますが、では「花」がみえるのかといいますと、なかなかむずかしいです。
第一自分でもさっぱり言ってる意味がみえてきません。

そういうふうに書いています。そういうふうに書かれています。
これまでいろいろと連句辞典や連句の本をひもといて、説明をよみましたが、これという説明に出合った事がありません。

けれども、そういうものが「花」です。

連句では美の象徴が花であり、月でありするのですが、月より花、ことに揚句の一句前に置かれる匂いの花(ニ折の花)へ向けて、一巻が収斂されていく。

そこで、ここの花になにをおくか。

まだ見えてきません。
発句が夏ではなかったら、たとえば春でしたら、ここの花は夏の花でもよかったかもしれません。けれども、夏は発句です。どう考えてみても、ここに置くのは、春の正花です。

花便り、花の宴、花の雲、花の山、花吹雪、花の冷え、花冷え、花衣、花疲れ、花の客、花筏などなどなど。
こういう言葉を入れて花をよんでください。

1秋扇追ひ払ふものと救ふもの   ぼん
2 鳥栖に栄えし久光製薬      恭子
3切れっぱしばかり溢れる抽斗に  さくら
4 心の宝こはしてごめん       乙四郎
5なみだ雨素知らぬふりの地蔵様    たから
6  寒月ゆれて刹那きらめく   えめ
7モスリンのジャケツが脱げぬ昼日向  整子 
8  グランドゴルフ赤白黄色    ぼん
9俳諧は卑俗で俳句は高尚で     恭
10 ゆったり下る野辺のせせらぎ  らん
11
12 

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