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2009年6月18日 (木)

名残おもてニ句目

1  見上ぐる空はきょうも和らぎ  ぼん

彦山の花句に空、既出。

2  方言ばかりで伝わらぬ恋

この句、おもしろいと思います。
ただ、恋が伝わらない。
とストレートに書くより、「方言ばかりで恋を伝へて」とするにとどめては。

3  アルバム出して写真選んで

これは状況を考えさせる句ですね。ワンクッションおいた句。
前句のもつ、ぎりぎり感をはぐらかしたようなかんじ。

☆ 改札口でさよならをいふ  えめ(恋離れみたいです) 

☆ 煙草の匂いえりあしのコロン 夏

☆ 小粋な柄のハンカチあげる  夏

さいしょのころ、句にしたてる素材のなかに季語がまぎれこんでいないかと、びくびくしていました。というのも、たいがいの名詞に「えーこれも季語!これも!」と、ことごとく季節があるからです。わたしにとって、連句をまなぶということは、そういう感性をしることでありました。むかしのひとらの繊細な季節感覚を知り、自然のものを知るということ。

それによってひらけて来るものがたくさんあります。それが何よりありがたかったです。
学校では学び得なかった自然の叡智みたいなものに触れているような気になってくるからです。

1 日記の記憶滲みしとこほど  おつしろう

「滲みしとこほど」、このいいかたが珍しい。
まるでにじみ模様のよう、内容と表現が一致。
いいすぎてないところ、つきすぎていないところがいいなと思います。
でもややぎこちない感じもどうじに受ける。それはなぜだろう。

2 追っているのか逃げているのか

前句の持つ高揚感をぴしっと受けている。
これいいね。印象的。

3 山のあなたに行ってみやうか

しおりの花句にある旅情にもどる。

☆ 午睡から醒め夢で会ふひと  えめ (午睡が夏)

☆ 別れの手紙燃して目に滲む  (恋離れ)

☆ 熱い砂から駆けだす二人 (夏の季感あり) えめさんってば。笑。

1おとなになればきっとわかると  ひめの
2ギターの弦を押さえかねつる
3時間旅行をするような恋 

 歌仙『ややこ生る』

1目に青葉やま時鳥ややこ生る      恭子  
2  夏霧はれて現(あ)るる玉石     ぼん  
3蚤の市自転車こいでTシャツで     さくら 
4  学生街の行きつけのカフェ   乙四郎  
5望の夜の甍に波のさやぐらん     らん  
6  田畦豆(たのくろまめ)を小筵に入れ  整子

裏 

1秋扇追ひ払ふものと救ふもの   ぼん
2 鳥栖に栄えし久光製薬      恭子
3切れっぱしばかり溢れる抽斗に  さくら
4 心の宝こはしてごめん       乙四郎
5なみだ雨素知らぬふりの六地蔵   たから
6  寒月ゆれて刹那きらめく   えめ
7モスリンのジャケツが脱げぬ昼日向  整子 
8  グランドゴルフ赤白黄色    ぼん
9俳諧は卑俗で俳句は高尚で     恭
10 ゆったり下る野辺の春川      らん
11花の雲流れ流れてどこの空   彦山
12  陽炎の芯犯しだす午後    bud

ナオ

静まらぬ鼓動に百千鳥響む    整子
2  追っているのか逃げているのか おつしろう
   方言ばかりで恋を伝へて   ぼん
   改札口でさよならを言ふ     えめ
   おとなになればきっとわかると きょうこ

一晩考えました。
せいこ句の「百千鳥」。歴史のある古典的季語です。
おつしろうが昨日いみじくも指摘したように、姫野の一直で

静まらぬ鼓動に百千鳥響む

と句またがりで「ももち・どりとよむ」とやってしまうと、語呂がわるいというのは確かにそうです。
そこで考えるのは、全体のなかで句をながめてみるという視点。
bud句がおびき出すものは街の喧騒である気が姫野にはします。
それにどことなく疲れているひとの姿が背後にうかぶ。
東京には緑のたっぷりとした森があちこちにあります。
それは意外な発見で街路樹一本にさえちいさな森がある。
そういうところに棲む小鳥たち。
そのさえずりの群鳴はまるで恋してる人の鼓動に共鳴してるかのように思える。

「とよむ」辞書検索http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?dtype=2&p=%A4%C8%A4%E8%A4%E0


それぞれ出してくださった付句案から一つずつ。
函館の教授にもたのんでますので、もう少し待ってください。

ではいってきます。

(けさ、いま。めったにかかってこない友人からでんわ。選挙がちかいのだなあ。

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コメント

響(とよ)む、という語彙を知っただけでも収穫です。
この語は、これが掛け軸に描かれた鳥だったり、彫像の鳥だったり、そんなシチュエーションで使いたいな、と思いました。茶筅置く若沖の鳥響みたり、みたいに。
百千鳥は、実在の鳥でもなく絵の鳥でもなく、多くの鳥の囀りから連想される鳥なので、百千鳥が響むというのはあまりにも当たり前すぎて面白くないと感じました。

最近、連句という文芸に真正面モードです。
いやなやつ、と思われようが、壁を乗り越えるか、壁を崩すか、壁から引き返すか、正念場のような気がしてきました。

乙さん、よう言うた!
かささぎになりかわりこころよりお礼を申し上げたい。でも、壁から引き返すことは許さん!笑
乗り越えるべし!
壊すべし!

静まらぬ鼓動に森の百千鳥

>一直を期待しつつ。
という挑戦状が付されています。

作品を作る、という真剣勝負の世界。
普通は書かないことを敢えて書く原作者。
それを受けて一直する捌き。
巌流島の決戦を見ているようで楽しい。

原作者の勝負玉は「百千鳥」。
いいぞいいぞ。
適切な語彙の発見こそが句作の醍醐味。
この語彙を一直でどう盛りつけるかが、この対決の見どころです。

捌きは「響む」を勝負球として持ってきました。
「鼓動」と「響む」のコントラスト感は絶妙。
だが待てよ。
連句は、にごしさんを厳しく言うほど語調を重んじる世界。
百千鳥を殺してはいまいか。

一直は捌きだけに与えられた権利なのか、座の誰もが行使しうる権利なのか。
言い換えれば、原作者は作品を捌きに預けているのか、座に預けているのか。
よくわかりませんが、連句を座の文芸であるというのであれば、後者であるべきだと思います。慣習はともかくとして。

イメージトレーニングとして、捌きの一直を一直するとすればどうなるか。
乙の主張は、リズムを崩さないこと、の一点なので、

静まらぬ鼓動に響む百千鳥

としてみました。
ここで生じた違和感が、さきほどの投稿です。
「百千鳥」の語彙が、「響む」を内包してるので冗長な感じです。
捌きの一直とおり、鼓動に百千鳥、のつながりのほうがよさげ。
「響む」の居場所がなくなってしまいました。

名詞止めが続く、という問題。
ひとつ前(の一直の練り直し)に戻れませんかね。

というのは、ここ(budさん句)が乙的こだわりの出発点だから。(本当の出発点は、そらんさん騒動なのですが・・・。そらんさん、さぞかしコメントしたいだろうな、と勝手な想像。)
そもそも元句は動詞で終わってるし、元句のほうがbudさんの味わいを感じます。

いやなやつやな、やい!(回文)

ここでかささぎがほしかったのは緊張感。
緊張感を与えるリズムというのがあって、それはアンバランス。新潮社の「円山応挙」星野鈴著をよんでちょ。ニゴシサンだって、いつもいつもそれがいいといってるわけじゃない。ときにはそれを逆手にとって、不安なきもちやゆれるきもちをつたえるときもある。
名詞止は、とっぷりと主婦業にあぐらをかいていたころのじぶんみたいに完全無欠の安定感がある。
だけど、
ももちどりとよむ。と動詞でおわり、なおかつ句またがりでいくと、ぐらぐらするんです。それは、ここではとっても効果的だとかささぎはおもうのだ。とよむがくどいとはおもわない。


まちがえました。
ニゴシサンだっていつもいつもわるいといってるわけではないのです。が正解。

ご紹介の新潮の星野鈴『円山応挙』です。
かささぎはこの本に思い入れがある。
十二年ほど前になるのでしょうか。
前田師が二度目に福岡に見えたときだったと記憶します。西新近くに藤崎って駅があります。その駅に図書館があり、そこの上の階で連句をまきました。晴野みなとさんが会場の手配をして下さった。
貞永まことさん鍬塚聡子さんのほかに、森山光章氏、楯ひろ子氏がいらっしゃいました。ご両人とはこのときはじめてお会いしました。そういえばこの一度きりです。
連句が始まるまで時間があったので、図書館で絵をみた。画集のちいさなので、ぐうぜんばったり円山応挙にであった。そんなときにも大事な邂逅はあることがおどろきですが。
そのころの自分は、写生とは。というなぞにとらわれていた。現代俳句と伝統俳句をわかつことの一つに、これがあると感じていた。
本については、石橋秀野ノートにも書いています。
非常に印象的な本でした。
いろいろもたらしてくれたのですが・・・
もっとも心に残った絵は、「氷図」です。
氷に裂け目が入っているだけの絵。
その説明文のなかに、近代の意識についてとアンバランスの評価ということへの言及があり、そこにはっとします。
ずっと気になっていた本だったので、あとで自分でも買いました。

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