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2009年3月31日 (火)

縺糸闇と遊糸

四月号の『樹』より、東妙寺らんの五句。
おお。りっぱだ!俳句始めて二年ほどとはとても思えぬ。
熱心に俳句歳時記を読み、勉強をしているのだろう。

おみくじの大吉結ぶ春心
隠国の千手を拝し春の闇
縺糸闇の中にもあたたかし
芹の香やゆるりと水を愉しみぬ
芹の葉を辿れば白根したたかに

高卒後夢見る少女は、生き馬の目をぬく銀行業界に就職。
やわらかくて美しい窓口係はどんどん偉くなっていった。
あれよあれよと歳月は矢の様に過ぎ、でも夢見る少女はそのまんま。
高校時代、わたしたちは、いつもいっしょにいた。
なぜかしら気があった。でも大人になってからは疎遠になっていた。
体調を壊し職を辞していなければ、俳句は勧めなかっただろう。
縁が、あったのよね。
最初に出してくれた句を、ちゃんと覚えてる。


朝涼の腕の淋しさ天の風  東妙寺らん

ああ。このためにであっていたのか。
と、そう思った。

俳号は彼女の亡き愛猫の名。

ところで、三句目。
最初、「縺糸闇れんしやみ」というのがあるのかと思った。
普通の歳時記にはでてこないし、かささぎがもってる角川古語辞典と新明解国語辞典第五版と健吉の季寄せにもない。
けれど、もつれた細い糸が闇に浮かぶ様は、わたしに以前読んだある本を思い出させた。鏡五郎*の飛行蜘蛛の研究書である。

英語でゴッサマー。遊糸=ちいさな蜘蛛の糸。有名な追跡調査の本、まだ山下整子が広川図書館で司書をしていたころ、偶然見つけ、借りてきて読んだ。れぎおんにも書いたっけ。とても面白い本だった。蟲好きなひとはよまれてください。感動します。ただ題を忘れました。空飛ぶ蜘蛛。だったかも。

* あれ。鏡五郎。で今検索したら、ど演歌歌手の名だった!
ってこた、まちがえた。間違いの天災かささぎのやりそうなこと。
鏡がついたとおもったのですが・・。山形の人。
何年もかかって遊糸の正体をつきとめるのです。すごいです。
うーん。鏡リュウジじゃないしなあ・・・だれか知ってない。
最初は山本健吉の『遊糸繚乱』の資料で知った本。
追ううちにその鏡さんの本にであった。別名、雪迎え。
かささぎは恋句で一度出したことがある。

雪迎へ垣間見しより繋がれて  恭子

ここで、仕事より帰還。さっそく調べる。
雪迎え。で調べたら、出てきました!
なんと鏡ではなくて、錦でした。とほほ。
ほんとに失礼いたしました。
錦三郎。資料くっつけておきます。齋藤茂吉文化賞受賞の頁。


http://www.pref.yamagata.jp/ou/bunkakankyo/050001/bunkasinko/21-30.html

思えば、かささぎが連句に誘った人たちは、みながみな、本当にすばらしい。
ぼんもせいこさんもたからさんも都さんも乙四郎もばどさんもおとめさんもまことくんもわこちゃんもかぐやさんもさくらさんも木戸さんもらんちゃんも・・ここにあげてない人たちもみんなとってもうまいです。
この有難き縁に、こころからの感謝をもうしあげます。ぺこぺこり。

追伸:

だいじなこと、書き忘れていた。

縺糸闇の正体。

東妙寺らんに「縺糸闇って何。季語?」ときいた。
するってえと、「あれは、もつれいと。闇の中にもあたたかし。
」と言ったあと、「きょうこちゃんたちのことを詠んだとよ」。
やはり天然。

資料紹介:『空をとぶクモ』 錦三郎(学習研究社)
  (八女郡広川町の図書館においてあります)

錦 三郎(にしき・さぶろう)

《南陽市》

 大正3年生まれ
<南陽市赤湯、高畠地区において晩秋の青空を飛ぶ奇現象の解明>
 通称「雪迎え」について、昭和13年より関心を持ち、昭和30年東亜蜘蛛学会に入会、追手門学院大学教授八木沼博士に師事し、専門的に研究し、日本において未開拓の蜘蛛の空中分散について継続的な研究を行い、クモの種類、生態を観察記録し生態学的な解明を果した。蜘蛛の空中分散についての研究では日本で唯一の権威者であり、外国の研究者にもよく知られている。
<山形県内の蜘蛛採集と研究>
 昭和26年より県内の蜘蛛を採集し、リストを作り現在約160種を確認している。その中には新種として発表された「ニシキサラグモ」を始め、数種類の新種を発見している。
<山形県指定天然記念物「白竜湖泥炭形成植物群落」の研究>
 昭和31年から白竜湖湿原植物の調査を行い植物相の推移の記録、スライド作製を続けるほか、昭和33年から同湖周辺の野鳥の観察と記録(映画、スライド製作)を行い、自然保護や野鳥保護に対する貴重な資料を提出し、その重要性を啓発する等、その対象は蜘蛛のみではなく各分野にわたり積極的な活動を続けている。
 主な著書
  昭和39年 「蜘蛛百態」
  昭和47年 「飛行蜘蛛」
  昭和49年 「空をとぶクモ」
  昭和50年 「雪迎え」

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コメント

ひさしぶりのコメントじゃ。
らんちゃんのことが書いてあるけん、なびいた(笑)

連句への誘いも100%無視しとる私は不肖の
弟子で申し訳なかばってん、許してちょ。

すばらしいひとたちに私は入れんといて、前向いて
歩けんやないか。ほな、さいなら。

なぬ。この不良おっさん。ちゃんとみるとこみてるねえ。
らんちゃんは美人で独身ですよー。なによりやさしいし。ぜひ冥土のみやげにみにおいでください。ついでに連句をまいていってください。
そうだった。七日ころまでに春の発句をどなたさまも一句、またはいくつでもいいから、おだしください。
前田宗匠がみえます。こうべから。
えめさんもろいりさんもさくらさんも発句つくってみらんですか。たとえば白椿。たとえば花筏。たとえばふつ。なんでんよかけん。

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