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2009年1月 4日 (日)

守武の暗号   乙四郎語録31

八女戦国百首和歌『夏日侍』をよむ

     竹橋乙四郎

▼ 謎解き

「雁」と「燕」とで、どこで詠まれた句かがわかる。

雁の集団越冬地の西限は島根県とか。
南限は琵琶湖の湖北。春分(3月20日)の頃、シベリアへ帰る。
雁の北帰行期は、狂いがほとんどないので、この句は春分の日頃の句。
同様に去来が正確な渡り鳥は、ツバメ。
誤差は十日以内(近年は誤差が大きいとか)。
気象観測官が桜の開花日と同様に重視する自然の営み。
南方からのツバメの渡り日は、九州では3月中旬、下関で3月下旬。
ほぼ1ヶ月かけて北海道に渡る。
従って、通常は、雁とツバメとは同時に観測されることはない。

燕来る時になりぬと雁がねは
本郷(くに)思ひつつ雲隠り鳴く
(大伴家持『万葉集』)

燕と雁とは擦れ違いなのである。
少なくも、伊勢や京都ではありえない。
ところが、どうも昔は雁は全国で観測されていたらしい。
そうなると話が違う。
春分の頃、ツバメと雁の北帰行との同時観測が可能な地点は筑後あたりか。
九州で雁を詠んだ歌、どなたか心当たりあれば紹介ください。

雁は昔は全国にいた。
   ↓

http://www.jawgp.org/jghi1994/p005.htm

俳祖である守武には、当然、大和では雁と燕とが擦れ違いであるという知識があったであろう。あえて雁と燕とを同居させた句を出したのは、自分が九州(有明?)に居たことの暗号の意図を感じる。となると、守武千句というのは暗号のかたまりではないか、とワクワクする。
フェルマーの最終定理以来のひさびさのワクワク感。

旅する太刀がたくさんでてきたのも、やはり暗号でしょう。
「倭王に贈られたはずの七支刀は筑後にずっとあり、天文9年に伊勢神宮禰宜が持ち帰り、その経緯が像として筑後に残されていた」というのが、謎解き中間経過。
これだけでも日本史がひっくり返る?

▼ 守武の暗号

山だちのほうづきやりはさびはてて
いとどみじかくおもひあこがれ

山だち=邪馬太刀
ほうづき・・・ほうずきの実は、まっすぐな枝に左右交互に付く。七支刀そっくり。

とんでも暗号解読超訳:
邪馬台国の太刀である七支刀の槍は錆び果ててずいぶん短くなっているが、思い憧れていたものだ。

はげつとはいへどばけつに成はてて
みやこいづれば山だちにあふ

とんでも暗号解読超訳:
剥げているとはいえども馬尻(うそっぽい外宮の祭神)くらいのありがたみで、都を出れば邪馬台国の太刀を見ることができる

尻といえば、伊勢外宮のこの祭神

http://www.yume-jinja.net/original/contents/venus.php?mode=detail&id=35

▽ かささぎの旗管理人:

このブログで雁の渡りを想像してみました。

http://simijimi.exblog.jp/i46/

一度はみたい。北海道まで行かんといかんとかいなねえ。
(翻訳:北海道まで行かないといけないのでありましょうか)
昔はたくさんきてくれたんだ。その証拠の天文歌。

十二  帰鳫(帰雁)      鑑冨

見るうちもたちぬかずとや天津雁
雲間にきえて立かへるらん


うじゃあっと鳥がいる、飛び立つ。
どうやって数えるんだろう。
鶴にはシベリアわたりの中継地があり、北朝鮮と韓国との国境あたり。
雁は夜に飛び立つのかな。未明?
雁木という言葉もあります。雁風呂も。
雁が旅立ち、まれに体力がなくて、海に休むときの枝を落してゆく雁がいる。その木切れを雁木といい、それでお風呂を沸かすのを雁風呂という。(でしたよね?)風流はありますが実感がない。

日本史、どんどんひっくりかえしてください。
なんにもかわらん世の中はたいくつだ。
もりたけさんは九州には来てないとおもうけど、九体皇子の話には荒木田兄弟の話が投影されているよね。時代、千年と五百年とでは倍の距離違うけど。
少なくとも、乙四郎が鷹尾になぜかグッタイミングで行ってくれたおかげで、このフィールドワーク風の探検も面白く、実感のこもったものになってきました。
まったく考えたこともなかった。
鷹尾って港だったんだね!!
それはかなりすごくないですか。
しらゆう=白木綿も白絹も、輸入も輸出も。国際都市だったってことです。すごい。へえー。
なんでそういう認識がまったくなかったんだろう。
うんとずっと田舎だとばかり思い込んでいた。
今の目でしか見れなかった。
せいこさんでさえ、邪馬台国関西説をいうくらいですからね。
邪馬台国は九州。まずこれを信じる。

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コメント

守武の暗号 2
暗号といえば「宝」。守武千句に「宝」を含む句がふたつ。

あさがほの花のしけくくやしほるらん
これ重宝の松のつゆけさ

「あさがほ」が守武を、「松」が筑後を象徴するとすれば、何かありそう。

夕されば野べの重宝つたへばや
さねもりたれや深草のさと

重宝を伝える、ときた。
「さねもり」って誰や?
著名な「さねもり」は平家物語に登場し、能にも芭蕉の句にもなった斉藤別当実盛。
篠原の合戦で、老武者・実盛は退却もせず、白髪まじりの髪を染め、前主君に拝領した兜を付け、かつて命を助けた情にもすがらず、ただ一騎奮戦し、討死するという、老武士の意地のお話。
何となく雰囲気はわかるが、わざわざ実盛を持ち出すまでもないような気がする。「さね」は鑑実の「実」、「もり」は守武の「守」。実と守を継ぐ子孫に伝えてほしい、違うかっ!

次に、宝といえば、隠し場所。石上神宮拝殿奥の禁足地の「垣」(剣先状の石瑞垣)を想定し、「かき」を含む句がいくつか。

あしがきにかかる爪ざねほのみえて
すずろにはらのどくとしれかし

「あしがき」は葦垣でしょうが、禁「足」の「垣」ともとれる。
「爪ざね」って何だ?
橋爪鑑実(はしづめあきざね)?

雪だまりかきなでかきやはらふらん
けづりはすとも爪ななきりそ

ここにも爪が!
爪という語彙が歌や句に織り込まれることは珍しいものだが、守武千句にはもうひとつ爪が。

うしのこのあしや七夕爪ならん
月にさけても賎をみましや

意味はまったくわからないが、「賎」が気になる。これも詠まれるのが珍しい語彙だが、八女百首に何度も登場する。

拝啓、竹橋乙四郎殿。
あなたはじつに毎日神がかり神おろしのようにして、中世の文学の地平を切り拓いておられます。
わたしはこれまで、ただ単にうわべだけ、ささっとわかったような顔をして済ましていたのを咎められたような気分になり、一から学んでおります。
今日も今日とて、帰ってからすぐ守武千句をひらき、よみを考えていた。わかったこともあります。

あさがほの花のしげくやしほるらん
これ重宝の松のつゆけさ

朝顔の花が毎日しきりに咲いていたけどしおれてしまった。これは松も露けさにぬれるころとなったからです。
意味は分かるんだよね。でもなんで「重宝の松」。
諜報機関のまっちゃん?・・んなわけないか。


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