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2009年1月25日 (日)

連歌師1・宗祇   鶴崎裕雄

「連歌張行の建物・部屋」を引用中ですが、その前に「連歌師」のほうを先に入力いたします。大至急!

走り読みしてたら、「宗牧」という連歌人の名が目に留まりました。
天文年間の越後の連歌師みたいです。では、では、八女戦国百首の牧也はこの連歌師の弟子でしたでしょうか。わかりませんが、「宗」の名を冠する者はみな、宗祇の名から派生した一派だったとみたい欲求に駆られます。こういう知りたい欲望に駆られての勉強は身につきます。それにしても、この本を神田の古書店の通信販売でもとめたのは数年前の暮だったと思いますが、何年も放っていたのに、今になってちょうど欲しい内容が載っていることに気づき、すごいことだったと心打たれる。

連歌師ー政治的な、あまりにも政治的な人たち

    鶴崎 裕雄

一 宗祇と肖柏の場合

文亀二年・1502宗祇は弟子の宗長や宗碩たちと越後より関東を経て駿河に向かった。宗長の記す『宗祇終焉記』の旅である。七月下旬、鎌倉近きところで千句連歌を行い、二日間の休息の後、

 廿九日に駿河国へと出立侍るに、其日の午刻ばかりの道の空にて、寸白と云虫おこりあひて、いかにともやる方なく、薬を用うれど露験もなければ、いかゞはせむ。国府津と云所に旅宿を求めて、一夜を明し侍しに、駿河の迎への馬、人、輿なども見え、素純馬を馳て来向はれしかば・・・

とあり、一行は力を得て、箱根山を越えようと湯本まで行くが、その夜、七月三十日、弟子たちに看取られて宗祇は亡くなった。

鎌倉近き所とは相模守護代上田館である。後述のように宗牧たちの旅には滞在先の豪族たちが送迎の人々を遣わすのであるが、この文章からは上田氏がさほど送りの人を付けたとは思えない。国府津まで来てやっと駿河からの迎えが来て、素純も駆けつけた。駿河の国守今川氏親が宗祇の来訪を心待ちにしていたことは、後日、十五夜の連歌の脇句でわかるのだが、この駿河からの迎えは宗長の依頼が大きいのではないかと思う。素純の場合も、氏親の命というより、古今伝授を受けようとする素純の個人的な行動と考えてよい。

宗祇の生涯を見ると、公家や幕府の武将、地方の有力大名の歌会や連歌会に出座し、さかんに交渉を重ねている。寛正五年1465ごろ、細川勝元の家臣安富盛長主催の『熊野千句』では管領細川勝元たちと同座。文明十年1478越後の上杉房定の許に滞在し、帰途、越前の朝倉孝景、若狭の武田国信を訪問。この後も越後には四度下向している。文明十二年、大内政弘の招きで周防から北九州を歴訪、大内氏の有力被官陶弘詮、杉弘相らと交わって『筑紫道記』を著述。
文明十四年、前将軍足利義政主催の百韻連歌で聖護院道興・実相院増運ら門跡と同座。文明十八年、『細川千句』で細川政元・同政春・薬師寺元長らと同座。このほか『源氏物語』や『伊勢物語』ほかの古典を講義し、そこには公家の子弟だけでなく、細川氏一族の者も顔を出している。こうした権力者との交渉はまだまだ続くので、列挙は打ち留めにするが、こうした交渉が、宗牧や紹巴のように政治絡みに進展することはなかった。宗祇の行動が政治を動かす、明確に政治に関与することはなかったといえよう。(「肖柏」の項につづく)

宗牧:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E7%89%A7

引用:『文学』2002・9、10月号より。

なお、かささぎは鶴崎裕雄先生とはれぎおん企画の「連句人による連歌興行」という催しで、一度同座した経験がございます。
きっちりといつであったかを思い出せないのですが、平成16年11月23日ころであった、と思うものです。あのとき前田編集長が招かれた連歌師は、日本を代表するお三方、島津忠夫氏、光田和伸氏、そして、この鶴崎氏でした。かささぎの印象では、三人のなかで、もっとも温和な先生でございました。あのときの座の、なんともいえない緊張感を、まだ鮮明に覚えております。出す句すべてが、光田氏によって「連句的!」と弾かれた屈辱も。かささぎ、全面敗戦の図でした。わすれられないなあ。

(そのときは、かれらがどれほど偉いひとたちであったのかを、かささぎは知る由もありませんでした。)こんな得がたい座を体験させてくださった、れぎおん、前田圭衛子師には感謝のほかはありません。

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