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2008年10月24日 (金)

無常

 鴨居から見ている童顔爆忌来る   佐藤 綾子

           (句集『解凍の鯛』より)

佐藤綾子さんは大分の俳句誌「樹(たちき)」(瀧春樹主宰)所属俳人だ。
集中、わたしにはこの一句が深くこころに響いた。
ほかの句はまったく記憶にとどまらず、これ一句だけ。

爆忌とは原爆忌だろうか。それともー

そんなことはどうでもいい。

わたしの目は、かもいに釘付けになる。
鴨居。こんな字を書くんだなあ。
検索してみる。

日本家屋。

鴨居と敷居は柱を出て平行に走っている。

そうだった。そうだった。

かもいとしきい。

ふととかれる。封印した無常のきおく。

かもいからひもをつるして。

しきいとかもいのあいだには。

幻想のなか、延々とうねりながらつづく一本の道がある。
鴨居と敷居のあいだにはたくさんの鳥たちがぶらさがっている。

きぼうがうしなわれて。
ゆめやぶれて。

それはにげであるのか。
それともやすらかなすくいなのか。

平和と戦争。

ピアノの鍵盤に白と黒がならぶように。

戦争と平和。

さけがたく、この世にそんざいするもの。

その鍵を、鳴らせ。

鳥たちを、放て。

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コメント

この文章が書けてよかったのだろうか。

いくぶんかはすっきりし、反面その数倍、重くなる。
十分ではない。
でも書けた。気になっていたのにさけてきたことを。
乙四郎の留書のカットされた箇所に触発された。

なにが幸いするか、わからない。

>その鍵を、鳴らせ

なずなの詩を思い出した。
強烈な印象として。
鎮魂のうた。

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