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2008年9月18日 (木)

寝刃研ぐ

雪激し胸に月下の寝刃研ぐ   小原洋一
チエホフよ撃鉄(フリント)起こせ二月満月*  〃

刀師は仕上げに刀を北枕で一晩寝かすという。
地上に北向きに流れる霊脈の流れがあり、

刀の柾目をそれに合わせるかのように。

と言う安西均の詩を引用したいが、今、ない。

寝刃(ねたば)=a dull blade

*の句は私の記憶、完全ではないかもしれない。原本がない。
ただ、記憶にもはっきりルビがふられていた。撃鉄に、フリントと。

撃鉄=flint

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コメント

今日ここへおいで下さった方がいらっしゃいます。
寝刃をねたばと読むことなど忘れていました。
故おはらよういちさん。解纜の表紙絵の見事さ。
いまこの二つの句を眺めてると、小原さんが月に対してこめられた思いがわかります。一つは銃、一つは刀、だけど詠まれているのはおなじ、自分への鼓舞なのですね。
整理をしたので、詩集がでてきました。
安西均『銃と刃物』から「北の刃」をひきます。

北の刃
  安西 均

刃物の鍛造には、まづ鉄と鋼(はがね)を焼き、
槌でたたいて鍛接する。
さらに大まかな形にたたき出したのち、
〈ならし〉といってまた槌で鋼を締める。
その際、刃をかならず北向きに置く。
これは刃物氏の口伝の一つである。
すると鋼の組織は、
地球の磁気に敏感に反応して、
北向きに揃ふといふ。

死者は北枕に寝かす風習がある。
まさか霊魂とやらの微粒子が、
地球の磁気に感応して北向きに揃ひ、
切れ味がよくなるわけでもあるまい。
それにしても霊魂の器だといふ肉体は、
古びてしまふとなんと硬くて脆いことか。
まるで捨てられた空瓶そっくりではないか。
鍛冶職人のきたへた刃物のはうが、
よっぽどしなやかである。

1992・8・30発行 『銃と刃物』安西均より

おかげさまで、父の手術は成功しました。
一週間したら、腫瘍の組織がなんであるかもわかります。思った以上にきれいであった、とおっしゃいました。どっと安堵。
三、四時間かかりますという予定が、五時間かかりました。
みやぎせんせい、どうもありがとうございました。

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