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2008年9月26日 (金)

花の座

あかつきの音せぬ時を花に聴く   玖實子

いずこより落花しきりの荒磯海    苗

海に向く低床電車花吹雪        孤太

いちまいの沼の記憶に花祀る      さかえ

億年の地層に抱かれ花の昼      於玉

花影婆娑と何かが渕をさして落ち     道

片岡に咲き残る花真向かいに     孤太

花の塵名刺で掬ふものぐさよ    健悟

管滑る臍帯血よ花燦燦         弓子

花一樹善根宿を蔽ひゐて        京

きらきらと瞳が燃えて花篝     魚乙

雲ひとつ河合瀬(かそせ)の花を尋ねけり  真紀

原発の是是非非よそに花筏    千加良

花便り母は達者でおはすらし    杏花

小窓より花の散り込む夕支度   富久女

小錦のダンスしきりに花散らす    あや

重箱の沢庵に花散りかかり    麦人

三頫図(さんちょうず)掲げ俳諧花の庵(いお)   良子

健やかに物を忘れて花の下(もと)  素之

刹那とは美の単位なれ花吹雪    将義

全身をピンクに染めし花の屑     直道

戦闘機乗りの過去持つ花守に   漠

物流を支える町の花の道      せう子

谷汲(たにぐみ)の花の盛りに間に合ふて  道

啖呵売たこ焼き売りも花の下     譲介

二町歩の花一斉に咀嚼音      恭子

花盈ちぬ良晨美景惜しまばや   玖實子

蝶か花か白い手紙がふうはりと    小箔

花おぼろ君もおぼろになってゆく   朱美子

魄求めひたすらに掘る花の下(もと)  蓉子

夕づきて花のうつろい段蔓     貴夫

花の夜悪妻たりし母負ひて       蓼艸

花宿りしてます白湯を吹いてます   丹

花の夜は花と他人の母ばかり    圭衛子

花守は林の如く徐(しず)かなり    漠

花に寝ん一畳あをき表がへ    芭蕉  

花に符を切る坊の酒蔵       芭蕉

花をふんですゞめは千の歩行(かち)の衆   芭蕉

はな咲ば又来てのぼる塚の上   芭蕉

暮なんとして花の香のたゞならず  蕪村

文机の花打払ふ維摩経     蕪村

餅好の大名通る花の山   蕪村

つつがなく花さきしまふ暮の月  一茶

花の木に火の用心の札はりて   一茶

青畳寝て見る花を植にけり   一茶*

* 寝るの字は旧字

『月と花と恋と』 (三省堂) より

参照:

谷汲(岐阜の地名)

http://www.ne.jp/asahi/greentea/nanisore/Waomoi/tanigumi.html

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