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2008年7月31日 (木)

良宵の月

お昼休みがおわるころ、沢都へおもて五句目の月をと携帯メール送信したら、二時過ぎに三句届きました。さすが早い!!

ちょっとみておくんなさい。
秋の月

1波際に何やら浮いて望の月

2潮騒の結び目ごとに望の夜

3良宵の雲流れつき山の里

どれも「場」の、「景」の句です。(人情なしの句ともいう。)

  歌仙 『コンビニで』

コンビニで本買はさるる梅雨の底(自)    恭子
  賞味期限の長き紫陽花 (場)       兼坊
レンズ越しリボンとりどり巻かれゐて(場)   さくら
  明治生まれの祖母を寿ぐ (自他半)    千晴

さて選句。

1は、何か浮いてるが意味深で、パス。ここは俳諧臭より、うつくしい月であってほしい。

2をおいてみます。

コンビニで本買はさるる梅雨の底    恭子
  賞味期限の長き紫陽花     兼坊
レンズ越しリボンとりどり巻かれゐて   さくら
  明治生まれの祖母を寿ぐ     千晴
潮騒の結び目ごとに望の夜    都

これは前句のどこにどう付いているかというと、「潮騒の結び目」という抽象的な表現が、あたかも女性の年輪を象徴しているかのようで、節目節目で祝われるめでたさを満月とともに配したところに手柄があります。ということは、前句を景色でいいかえたら、こうなるのやでという見本みたいな句です。ひとつ気になることは、打越にリボンがある。それと結び目が微妙に響くかな・・。

で、「良宵りょうしょう」という耳慣れない季語の3をおく。
パソコン検索では天気のいい夜としか載っていないが、歳時記的な意味を加味すれば良夜とおなじく良宵は月の美しい宵と思われる。沢都は、いまから十二年前私が俳句と連句に誘ったとき、まず何をしたかというと、最高の歳時記を求めたんです。詳しくて、大きくて、例句も写真もたくさん載っているやつ。これが意外と大事なのかもしれない。歳時記は季語を調べるたび繰るんですが、なるべく上等のもの、それも新しいものだけに限らずうんと古いものも入った偏りのない歳時記が手元にあってほしいと思います。(似てるのが東妙寺らん。彼女もまず、歳時記のとってもいいものを求めた。)わたしですか。私はいちばん安い歳時記でした。笑

コンビニで本買はさるる梅雨の底    恭子
  賞味期限の長き紫陽花     兼坊
レンズ越しリボンとりどり巻かれゐて   さくら
  明治生まれの祖母を寿ぐ     千晴
良宵の雲流れつき山の里       都  

月の雲が掃き寄せられていく。風があるから。
風は祖母がうまれた山の里へ吹いているらしい。

これ、いいですね。なんのアクもなく、ただ景だけ。

ああ。こんな景の句がときどき無性に恋しい。
連句だけにしかでてこないなあ。
現代俳句では絶対出会えない。
自分の句もふくめ、人情自の句ばかりだから。
時にはくちをあんぐりあけて、雲や月や風をみていようよ。
そしてそれらと一体化しようよ。こどものころみたいに。

なぜか、中山そらんを思い出した。
次も秋、77です。

踊り子

http://jp.youtube.com/watch?v=6PCYHHTOpi4

村下孝蔵 『踊り子』

きのうの朝さくらさんブログをたずね、バレエの写真を見てましたら、唐突にこの歌を思い出しました。夫がギター弾きながらよく歌っていた。

踊り子の體を離るる繻子の汗  恭子

句ができた。物理学者みたいに理屈っぽい句だ。
離るを「かる」とよむ句を一度つくってみたかったのと、ストップモーション風の句をよんでみたかった。サテンの衣装を纏ったダンサーの全身から汗が飛び散るその一瞬。・・

さて、月の句をお願いしますとばくぜんとお願いしましたら、出ませんでしたねえ。こんなとき、どうする。・・・都さんにたのむ。こまったときの沢都。さわ・みやこって宝塚みたいな名前ですが、本名はもっときれいな名前、都紀子です。これ、つきこともよめますからね。(トキコが正解)

今朝は涼しい。昨日は夕立がすごくて雷もおちた。

きのう、少年野球の監督だった石橋まさはっちゃん*の命日。(六回忌)
きょう、貞永まことのめいにち。(七回忌)
一日違いでごっちゃになる。

踊り子が胸にこだまするもうひとつの理由。
貞永明美先生からのお便りのせい。下の娘さんがハーモニーランドでダンサーをなさってると書かれていました。まことさんが生きておれば、どんなに喜んだことか、と。貞永まことは写真師でした。(写真家じゃなく、写真師なんだとご自分で言われていましたっけ。)

こんど、九月二十三日にまこと忌の追善連句会をできればと考えています。みなさまの都合を聞かなければ。なるべく多くのひとたちに出席していただきたいのですが・・・(場所、堺屋、つかえるでしょうか。)

村下孝蔵:「初恋」
http://jp.youtube.com/watch?v=UuMG7NbwmMY&feature=related

2008年7月29日 (火)

四句目ぶり

   歌仙 『コンビニで』

コンビニで本買はさるる梅雨の底(自)    恭子
  賞味期限の長き紫陽花 (場)       兼坊
レンズ越しリボンとりどり巻かれゐて(場)   さくら
  明治生まれの祖母を寿ぐ (自他半)      千晴

初折おもての四句目は軽くつけます。
オノダからすぐに届いた四句目はつぎの三句でした。

7月24日夜受信

ほどかるる手を待ち焦がれたり
長さ揃わぬ端の絹糸
切り揃えるに鋏はいらぬ

どれもつきすぎと思い、再度お願いしました。
で、翌25日夕方にいただいたのが

誕生日には特大ケーキ
ヴァーチャルガールはブロンドヘアー
ほんのり香る母の首すじ

ケーキの句、ケーキ特大としていただこうかと思いましたが、並べてみると前三句と同じ日常色に埋没しそう、加えてウチコシの脇句の紫陽花についてる賞味期限がケーキとかぶさり、これも捨てました。
ブロンド娘、母の首すじ、どちらもウラ向きの色気があり、これもパス。

26日夕方いただいた句です。

明治生まれの祖母は暑がり(他)
壁の蛙は保護色となる(場)
帽子の端に緑の汚れ(場)

おおっだんだん多彩さを増します。さすが小説家。
私がうっかり「雑(ぞう)」の句をと言い忘れたため、どれにも夏の季語が入ってます。ですが、軽く前句についたきもちのよいおもてぶりの句ばかり。

そこで、明治生まれの祖母をいただくことにして、暑がりをことほぐに一直します。りぼんが巻かれているのは、お祝いをしている図になりました。おもてに老はいけないとされますが、先日巻いた「たけのこ歌仙」のおもてで健康な車椅子を出しているのと同じ理由で、一向にかまわない。斧田さん、暑くて忙しいときにありがとう、何度も出してくれて。

つぎは秋の月をよみます。誰にお願いしましょう。
どなたでもどうぞ。

ここにぴたりとはまる、きれいな月の句を詠んで下さい。
勉強と思って、いろいろ作ってみませんか。

なお、たけのこ歌仙と初山河歌仙での反省=人情句が出過ぎ=を生かすため、一句を自他場分類します。
カッコ内の自は「じ」、主体は自分の人情句、他(た)は主語が自分以外の人情句、自他半、あるいは単に半ともいうのは、自分もひとも両方含む句、場は人は一切出ない句です。
ざっと三種類に分類するだけでも、大きな指針になります。
ウチコシにあたる句同士、ということは一句はさんで隣り合う句のことですが、おなじものをださない。とらわれるのはよくないのですが、連句はじめのころに、一度はこの自他場のしばりに触れてみるのも悪くないと思いますので、出してみました。

連句の本質は、変化。そのために式目があります。

2008年7月28日 (月)

ガリガリ君

暑くて熱いので、帰路一番家に近いコンビニで、ガリガリ君を買って帰ります。

梨味とソーダ味を二本ずつと、チョコ味を一本だけ。チョコ味(もっとも高い)は自分用です。じいちゃんとばあちゃん、私が帰る五時ごろはちょうどおすもうを見ています。アイス何味がいい?と聴くと、ソーダ味といいますんで、こどもには梨味が残ります。梨味もおいしいです。

いま夫がいないので、取り合いをする張り合いがありません。夫はアイスやジュースがないと死んでしまうようなにんげんでした。(こらこら過去形で語るな)

ところで、ガリガリ君のキャラクター、だよーんのおじさんに似ています。まだ一度もあたりません。やいこら。あたり、あるの、ほんとに?

ちなみにガリガリ君は赤城乳業のアイスです。(私は回し者ではありません。)

2008年7月27日 (日)

夏の寺

夏の寺

夏の寺

夏の寺

八女・浄徳寺にて

仏具磨き

仏具磨き

お寺へ、去年は八月に行ってます。
たてもののなかにも、辻があるような。
仏具磨き

肖像権に配慮し、ブレております。
歯ブラシでワックスを塗り、白布で磨き、
新聞紙で磨き、その後上等の和紙で磨いた。

仏具磨き

・・暑くてくたびれ果ててぶれました。

2008年7月26日 (土)

『コンビニで』

発句がへたくそで格調もへったくれもなくて大変気がひけるんですが、函館の兼坊さんがいい脇をつけてくださいましたので、前からひきずりこもうと思っていた東京の写真家・さくらさんに第三句目をお願いいたしまして、なにかのんびりまこうとおもいます。四句目は、ちょうど柳人で俳人で小説家の斧田千晴から、「クライマーズ・ハイ」に久々のコメントをもらったので、渡りに船と頼んでつけてもらいます。オノダは本名を種田といいまして、種田山頭火の親戚です。どっちもお寺さんですし、たぶん。笑

  『コンビニで』

      起首 平成20・6・27

コンビニで本買はさるる梅雨の底    恭子
  賞味期限の長き紫陽花       兼坊
レンズ越しリボンとりどり巻かれゐて  さくら
                        千晴

さくらさんが、受賞されました!!なんでも、一番優秀な賞みたいです。
題は「お洗濯」。
さくらさんの全存在がこの一枚から匂い立ちます。
みなさま、どうぞみてください!おめでとうございます!!
以下、引用お許しください。
(無断で引用してもいいのかなあと思いつつ。ま、宣伝のためです)

「あなたのステキを、写真で残そう」フォトコンテスト第1回結果発表

6月30日で締め切りました「あなたのステキを、写真で残そう」フォトコンテスト第1回にたくさんのご応募ありがとうございました。応募総数305作品から選考委員会が選考した結果、受賞作品は以下の3作品となりました。おめでとうございます。
なお、「あなたのステキを、写真で残そう」フォトコンテストでは引き続き作品を募集中です。あなたの"ステキ"を撮影した作品のご応募をお待ちしております。

優秀賞

優秀賞受賞作品 大きな画像を見る
「お洗濯」
  • 作者:さくら
  • 都道府県:東京都
  • カメラ:ニコン D100
  • レンズ:タムロン AF28-200mm F/3.8-5.6 LD ASPHERICAL[IF] SuperII-Macro
書籍おうちで楽しく! リビングフォト
      著者 今道しげみ 先生
[選評]
ステキなコットンのワンピースが何枚も干されていて、夢のような光景です。育ちのよさそうな姉妹の笑顔が目に浮かびます。直射日光で撮りがちな光景ですが、やわらかい逆光をうまくとらえて、ふんわりした雰囲気に仕上がっています。

2008年7月24日 (木)

下りの景色

火曜日に近くの銀行で偶然読んだ日本経済新聞の上野千鶴子エッセイがよかった。さいごのところで、こんなことを言ってた。(人生の)下りの道から見える景色もなかなかいいものだ、と。

これまで上野千鶴子って学者さん、あまり好きだと思えなかったのに、この一文を読んでがらりと印象がかわった。

ぎとぎとしたものが取れてる。
いいな。枯れるって。

これからは、よぶんなものを一つ一つ棄ててく。
下りの景色がよくみえるように。

2008年7月23日 (水)

しゅうきんしゅうぎ1百周年

しゅうきんしゅうぎ1百周年

偶然の必然性

きのう帰るとれぎおん夏号が届いていた。

みんなに届けなきゃ。

でもその前に自分がまずよむ。

わたしの初学時代 の題の文章で、ひさびさに淺沼璞(浅沼姓は浅沼委員長とも関連あるそうで、はくはあらたま)に出会う。

そう、そうなんだ。

「偶然が必然にかわる、その面白さこそが連句である。」
いまなら冬樹蛉のうっぷんに反撃できそう。

2008年7月22日 (火)

山鹿温泉

山鹿温泉
山鹿温泉

先々週は星野村の温泉きらら、先週は山鹿温泉に母と叔母二人を連れてゆきました。(八女から星野村までは三十分、山鹿までは五十分くらいです。)
写真の温泉は八千代座がある中央通りのすこし高台にあります。ラジウム温泉、混んでいなくて広々として気持ちのよいところで、お湯がとてもいいです。わたくしてきには、由布院の庄屋の館のお湯(水色でした)の次に好きなお湯です。人気の黒川温泉にはまだ行ったことがないのです。

※八月十五、六日の山鹿燈篭祭りのポスターが貼られていました。
予約がそろそろいっぱいだそうです。

2008年7月21日 (月)

クライマーズ・ハイ

あべしげさんのファクタブログで紹介されていた「クライマーズ・ハイ」 を見た。1985年8月12日の日航機墜落事故を報じる新聞記者の話で、ながい映画だったのにもかかわらず、時間をわすれた。話は込み入っていたのに、緊張感が最後まで持続した。新聞をつくるって、そういうことなのか・・。堤真一のなで肩が好きになった。母親が米兵の肩にしどけなくもたれかかって映画をみている横で、母の手をじっと握って我慢していた幼い子ども時代の彼。その場面で流れる「モナリサ」の曲・・・。

ネットで上映時間を調べ、始まる一時間まえにつき、チケットを買う列(六層!!折り畳みパイ生地のよう)の最後尾につき、その列がじゅんじゅるじゅんじゅんとつづまっていく過程で、花より男子ファイナルは完売しましたのどうのとアナウンスが流れる。若い子や子連れ客であふれかえっている館内で、自分の番でソールドアウトになったらどうしよう。と心配したが、開演十五分前にやっと買えた。

着席したのは十二三分前だったのに、なんと私しか客がいない。
ええっなぜ!あんなにいた客は、みんなほかの映画をみる客だったの。
といぶかっていると、一人おじさんが入ってきた。
なんと私の席のすぐ横だったらしく、空席ばかりなのに私の真横にかけられる。うわっどうしよう。さりげなく別の席へ移るべな・・と思っていると、それからは次から次へと客が入場、またたくまに満杯状態になり、すぐに映画が始まった。こういうこともあるんですね。

御巣鷹山事故のニュースを最初に聞いたときのことを覚えています。
長女三歳とおなかに長男がいる私とをのせて夫の運転で戸畑へ里帰りしていた高速道路のラジオニュースで、第一報を聞いたと記憶します。あの日の空、その雲の色をまだわすれない。夕日にむかって走っていましたから。
テレビニュースではじめてみたとき、木にひとのからだの一部がひっかかってるのが一瞬映った。わすれない。一瞬でさえそうだから、現場で救助や報道にあたった人々は、生涯にわたってのこったろう。そういうことは人にはいえないし、伝えづらいことだから。

あべしげさんのクライマーズ・ハイ記事:http://facta.co.jp/blog/archives/20080719000722.html

2008年7月20日 (日)

少年ケニヤ

乙四郎が仕事でケニヤにいってるってんで、「少年ケニヤ」を思い出してしまいました。

出演者のかお、なべずみでぬったくってたなあ。
その少年のなまえ、ワタルっていった。
少女の名は、ケイト、どっちもかわいかった。

検索かけても、あんまりでませんでした。

堺屋での連句会でちょうど来合わせた中川ワタル。
彼女のなまえは、少年ケニヤ由来だったんでした。
そうかーそうだったんだなあ。
探検隊の帽子をかぶらせたら似合いそうなんです。
連句会をした日が誕生日だったそうで。
何歳になったんでしょうかね。

2008年7月19日 (土)

歌仙『四方の春』

  五吟付回し歌仙

    『四方の春』

四方の春はしごに登り遠会釈   永渕 丹
  門に飾りし対のゆづり葉    大久保 風子
石ころは詩集いくつも隠しゐて   姫野 恭子
  キャッチャーミット鈍く響ける  田中 安芸
月光を汲み上げてをり水砧     前田圭衛子
  円周上に透ける蜉蝣           丹
ウラ 
濁り酒捨てし家郷に吹く風よ        風子
  独り語りの物語よし            恭子
傷口を爪でむしるも武蔵振り        安芸
  スローなヴギに痩せて焦がれて    圭衛子
白茶けた兵舎の壁の反り返る       丹
  二十五時てふ時の記念日        風子
さんふらんしすこの月は暑くなか      恭子
  路面電車は海見ゆる丘         安芸
崖ひたす舫ひの綱の船員(かこ)結び   圭衛子
  陰暦なじむ暮し手に入れ        丹
朧夜を花は散りそむ標準木         風子
  みささぎのへに雉子(きぎす)まどろみ  恭子
ナオ
東帝の設計図あり夢わたる         安芸
  あの世この世と水漬(みづ)く蒟蒻    圭衛子
不足なら万能細胞当てにせよ        風子
  カキクキクキク錻力人形          丹
かじけ猫納戸の錠は錆びたまま       安芸
  雪の吉野の摩羅のさやけさ        恭子
引き金に触れてるやうな恋をして       圭衛子
  嘘の涙を出せる女に            風子
ほどきたる紐さまざまに多感なり       丹
  砂は知らずや幸せの跡          安芸
望過ぎて伽藍静かにうなづきぬ        〃
  新藁すこし取って置かうか         恭子 
ナウ
鬼の子と母御が住まふ奥丹波        圭衛子
  きのふの豆をけふもまた煮る       風子
落日に絵の具の乾く音を聴き         丹
  一閑張りは丸に十の字           安芸
花宿りしてます白湯を吹いてます       丹
  昭和館より引ける糸遊           恭子

 

平成19年12月12日起首
   20年1月21日満尾

   連句誌『れぎおん』2008・春・61号より引用   

前田圭衛子師より電話がありました。
この作品が三省堂からもうじき出るアンソロジーに載るそうです。
その本は連句作品から花、月、恋の句をシングルカットした選集だそうで、どんな編集なのでしょう。

電話をうけて、へえと思いながら読み返しますと、欠点もあります(妙に暦がらみの言葉が多い。無意識に時についてみんなで考えていたかのようにです)が、何よりとても自然な流れであることに気づきます。きっちり前句を受けて次の句が出ていますものね。

自分の句の留め書きを書いておきます。
この歌仙の終わりがけに突如として上京したんでした。
連衆の誰にも言っていません。前田先生にもです。
ブログには書いてますけども。
今おもうと、ふしぎなんですよねえ。
きっかけはあべしげさんをみにいった。
でもじっさいは、

霊によばれた。

そうとしか考えられない。
帰ってきたら、ちょうど永渕丹さんの白湯を吹いて冷ます、きれいな匂いの花の句が回ってきた。行ってきたばかりの昭和館で見た写真がこころに浮かび、挙句はすぐ浮かびました。

それと、初折ウラの夏月、

「さんふらんしすこの月は暑くなか」

これが九州弁なのは、前句に詩臭があるためでした。
詩臭には
うしろから近づいて膝コキってしたくなりませんか。わたしはなります。そういう場合の九州弁はすごい。すごすぎたかもしれない。かなり浮いていますね。
     

「雪の吉野の摩羅のさやけさ

摩羅というきわどいことばを、まったくいやらしさを感じさせずに出してみたかった。少年の朝立ちのように健やかで、イメージとしては中年から初老おやじの穢れなき純情。前句に安芸さんの骨董っぽい景の句が出、ちょうど手元に前登志夫の歌があってので失敬しました。その際、季語の雪は非常に効果的で山本健吉の『雪月花の時』という本を思い出したほどです。前田師はかねがね冬が出たら一句は雪を詠みなさいよっておっしゃってますが、こういうことかと実感。しかし、つぎの前田圭衛子句があってこその恋句への昇格ではありましたね。これだけでは恋にはなれなかった。

名残裏の完成度は非常に高いなあと感じます。

一閑張り:http://e-shibu.com/ikkanbari.html
前登志夫:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%8D%E7%99%BB%E5%BF%97%E5%A4%AB

上を読んで、前登志夫は四月五日に逝去されたことを知りました。
びっくりしました。知りませんでしたから。
私がこの特異な歌人を知ったのは、連句仲間だった小郡の俳人・森山光章氏から教えてもらったからです。森山光章氏はほんとうにすごい人で、わたしには彼の文学世界のほんのはじっこしかわからないんですが、でも、紹介していただいた山中智恵子と前登志夫は、以後注目して読んでおります。前さんの本は歌集ではなく『存在の秋(とき)』を持ってるきりですけども。
謹んで、前登志夫氏のご冥福をお祈り申し上げます。合掌。

連句的参照

山中智恵子論:http://www2.biglobe.ne.jp/~naxos/ChiekoYn/YamanakaChieko10.htm

化粧ポーチ

化粧ポーチ
いつかぜってぇ間違える

邪馬台国の本

邪馬台国の本

『女王ヒミコのなぞ わたしが歩いたヤマタイ国への道』
     たかし よいち 著
     大日本図書 1979年第七刷
     (初版 1976、昭和51年)

近くに古書店がいくつかありまして、一番近いブックマーケットというお店で発見した掘り出し物、著者のサイン入り100円。わたしが値段をつけるんであれば、二千円以下にはしない。
こども向けに書かれた、やまたいこくへの近づきかたの本。
写真や図がほうふ、ひしひしと著者のせいじつさが伝わる。
これまで読んだ邪馬台国本の中でベスト3に入れたい一冊。

表紙絵、生き生きとしていていいでしょう。

どのあたりに、じさいはいたんだろう。

持衰:

持衰とは、倭人が中国へ行くとき、その航海の安全のために一人の男性がなるもの。その男性は、航海の間、髪を梳(くしけず)らず、シラミも取らず、衣服はあかまみれのままで、肉を食べず、婦人を近づけず、まるで喪にでも服しているかのように生活するとされています。そして、航海が無事に終われば、持衰をつとめた者には、当時生口(せいこう)と呼ばれた奴隷や、財物を与えましたが、もし、航海中に病人がでたり、災害にあった場合は、「持衰がちゃんと慎んでいなかったからだ!」として、彼を殺そうとしたのだそうです。(以下より引用させていただきました)http://members.at.infoseek.co.jp/Accord/BIGLOBE/HIMIKO/052734375r.htm

2008年7月16日 (水)

訂正印

訂正印

ずっと訂正印がほしかった。
やっと作った、三文判つくってもらったはんこやさんで。
シャチハタのゾロ。(ぞろってにせもの)
色がかわいい、口紅みたいで。
うれしくておしたくてまちがえてる。

おっさんの励まし方

梅雨があけた。蝉が鳴いている。
事務所で伝票整理をしていると、電話がなる。
受話器をとると、いきなり隊員が名乗りもせず訴える。

だれか事務所におらん。
すぐ来て代わってほしいんやが。

いえだれもいません。

おれは足が痛いと!立っておれんのよ。

そうですか・・・でも、あいにくみんな出払っています。

あんた、わからんやろ。外はどげん暑かね!

そうでしょうね。こっちも暑いですよ。
みんな暑い外に立ってるから事務所でクーラーつけたら申し訳ないと、こっちにはクーラーもありませんからね。

そうねー?

そうです。
足が痛いの我慢できないですか。

我慢できんから電話しよるっちゃろ。

でも大丈夫ですよ。おまじないすれば。
いたいのいたいのとんでけー!!

あんたいくつね。こどもじゃなかろが。

はあ、三十です。

ほおう。・・ま、そんならしゃあなかたい。だーれもおらんなら。

はい、すみません。もちょっとがんばってくださいね。

・・・・翌朝(って今朝だけど)、伝票をみる。
おっさんは十七時まで無事勤めていた。

よかった。
おまじないの効果いちじるし。
本当に効果あったのはハッタリかもしれぬが。
おっさんあほかって思ったものの、身につまされた。

みんな、さびしいだけなのだなあ。
ただぐちを聞いてほしいだけなのだな。

追伸:

本日、夜七時、夫、博多より生還す。
やれやれ。


2008年7月14日 (月)

行間をよむ

愛という不確かなもの霜柱   中村重義(三冬)

一昨日この句について書いていたら次の句が浮かんだ。

夏みかん酸っぱしいまさら純潔など  鈴木しづ子(初夏)

そうして、ああしまった!とるべきだったと激しく悔いた句がある。

指百ぺん洗えば青春がもどろうか  野間口千賀(雑)

『九州俳句』誌に三年ほど連載させていただいている「現代俳句と女たちー張形としての俳句」の原稿です。

鹿児島の野間口千賀という俳人に九州俳句誌で出会いました。

聲あげて山河を赤くしてしまう   千賀

季語はないのに紅葉の写った水面が現前する。
これはすごいことじゃないのでしょうか。

2008年7月12日 (土)

五木寛之

九月から西日本新聞の連載小説が五木寛之の『親鸞』 になるそうです。

わくわくします。どんな親鸞をみせてくれるのか。

蓮如、は、ちょっと浅いか。と感じた。

(五木姓は奥様のほうの姓なのですね。筆名じゃなく。)

福島高校時代の処女小説はこちらです。
小説「学生」1

http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_d8ec.html

    その2
http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_8cfa.html

いしを拾う。

ふるさとの川で  いしを拾おう

ひらべったい石や

三角にそげた石

あかんぼうの目のようにまるく

すみきった石を

 

源心『たまご石』よりナオ三~五

手を洗い仏を洗い嬰(やや)洗い  伽具耶
  三万年のたまご石積む      恭子
蕭蕭と麗谷(うつくしだに)のほととぎす 繁代

(平成15年4月11日 於・広川町民センター)

麗谷:http://www.oitatravel.com/usa/utukusidani.html

2008年7月11日 (金)

本を買う

おととい、お昼休みに近くのゆめタウンの本屋に行った。ただ一冊、あった。わたしのために残ってくれていた。

きっと八女にはないが、久留米にはある。そう思った。だって久留米のおとのさまの本だもの。

「恋と伯爵と大正デモクラシー」 山本一生(やまもといっしょう)著。
日本経済新聞社刊行。二千円くらい。

さあ。
よむぜ。

2008年7月10日 (木)

夏野菜弁当

夏野菜弁当
鮭ふりかけ以外みんな自家製

きゅうり なす いんげん とまと うめぼし ごはん。

こんな粗食がぜいたくにおもえる最近です。

明治屋の揚げ物弁当と大学芋をたべてる人を前に

2008年7月 9日 (水)

夫、帰る

今日仕事からもどると、夫がいた。
二階からギターの音と歌声がして、やがて
ドスドスドスと重たげな足音をさせて階段を下りてくる。

ありゃ。かえってきたん。

おう。そりゃかえってくるよ。

家出したのかとおもった。

ばーか。五十もすぎて家出やらするか。

そう。なんの連絡もとれんから、博多湾に沈んでるんじゃないかと思った。

死ぬか。ひとをころしてもおれはしなん。

だよね。やまかさは。

まーだこれから。

十日あまりも、どこにとまっていたのかと聞く気ははなからうせる。
パンツ一丁でギターを弾き、「こんな小春日和の~」と声をつまらせながら歌う夫のうしろ姿をみて、あーあ。平和だ。とおもった。

2008年7月 8日 (火)

堺屋点景

堺屋点景

堺屋点景

http://www.c-able.ne.jp/~takosan/d-kusudoige-05.html
堺屋点景

このたくさんの鉢は萱だと想います。
思草(おもひぐさ、ナンバンキセル)のための鉢です。

2008年7月 6日 (日)

八女福島堺屋

八女福島堺屋

(2008・1・13・09・50撮影)

本日の連句興行参加者   敬称略 俳号

古賀音彦(やまなみ短歌会所属歌人)
中川ワタル(ぼんぼり連句以来二度目の参加)
堺 舟美(堺屋管理人) 
東妙寺らん(俳句誌『樹』所属俳人)
八山呆夢(同上)
山下整子(同上、やまなみ短歌会所属歌人)
沢 都 (連句誌「れぎおん」所属連句人)
姫野恭子

 胡蝶 『神さまのかかと』  
                 捌・ 姫野 恭子

オモテ       

風鈴がなってる一人いる       古賀音彦
  ねこがみているががんぼの肢  姫野恭子
遠き潮砂にまみれし道ありて    沢  都
  四輪駆動のシートなめらか    山下整子
月明かり娘と語らう日の続く     八山呆夢
  背伸びして吊る柿の簾よ     東妙寺らん

ナカ

古里の重箱岩の櫨もみじ      堺 舟美
   堰の水音くらやみに落つ     都
神さまのかかとくるぶし脇の下    整
   留守に済ませることの多さに   夢
君と会い君と別れる日をおそれ    彦
   一斑にして全豹を知る      恭
真も偽もチャイナウナギも札束で   らん
   返信はがき同封します      都
親心知らず知らせず冬の朝      夢
   八甲田山根雪抱きて       夢
残月のほのかに透ける大旦     整
   床に転がる鉄のダンベル    らん

ウラ

誕生日ろうそくなん本たてようか  中川ワタル
   鶏を追いたて老婆かしまし   音彦
朝霞石静かなる坂の塚        都
   往還端には焙炉場があり    恭
花ざかり身も心にもまんかいだ   舟
   夢ふわふわと白き初虹    らん

*

http://www16.ocn.ne.jp/~greenpal/kankou_02.htm
(黒木・山中渓谷の重箱岩)
http://www.flipclip.net/clips/akamikey/0020a05c2936964171cadf3e0d42e9df
(あっねこがががんぼをとった。)

捌メモ:

ゲストの古賀音彦さんは整子さんが連れて見えたやまなみ短歌会の歌人です。現代表記の口語表現をひさびさに新鮮に感じることが出来た。それを感じさせることができる魅力を、音彦さんはもっていた。みてください。この発句、こどものような、山頭火のような。とてもいいでしょう。ひきこまれます。
また、恋句も、とてもきよらでういういしい。そして逃げてない。
わたしはちょっと感動してしまいました。

発句にはつぎのような句がでました。

(しんどいので、この部分全略しますごめんなさい)

「往還端には焙炉場があり」
むかし「おーかん」という名の大通りがありました。
そのおうかんという名は、仏教の生き死にから来ている、
というはなしを管理人の堺さんがなさいました。
すぐ付句に仕立てました。
ほいろば=焙炉場=は、八女にはたくさんあります。
上妻小学校への道のそばにも二つくらいありました。
時季になると、すごいにおいがしたものです。
みどりそのものの強烈なかおりです。

※ 中川ワタル氏は音彦氏に用があって立ち寄ったところを無理やり連句に誘ったというか、そんな感じでした。ですので、一句のみの参加です。ありがとうございました。またおねがいしますね!

2008年7月 5日 (土)

八女福島

八女福島
八女福島

二枚とも2007年12月26日17時ごろ撮影
於 八女市本村

2008年7月 4日 (金)

純恋歌

「湘南乃風」の大ヒット曲です。あっつい、いい歌詞ですねえ。
これを初めて聞いたとき、ほーむめいどかぞくの「流れ星」を連想しました。

ユーチューブからしろうとさんの、いきます。(こういうのだいすきです。雑音生活音まで入ってるけど。)http://jp.youtube.com/watch?v=YP7OsGbh5MA

おおお。みつけました!http://jp.youtube.com/watch?v=PVrz5YeoDeg&feature=related

(不良中年おばばは、あさっぱらからなにやってんだろう。)

だいじなわすれものをしてたことにきづいたから。

ついしん

このふたつの動画のうち、下の、すんげかっこい。スタイルもだけど、その手口が、まっこて俳諧的、連句的。これなら当分きづかれなさげ。

じつはね。上と同じで、ちょっといたずらをして、でもそれで世の中の人がだまされて動いたみたいで、悪かったかな。っていま、ちょっと反省してるところです。

「かれの漫画は霊的示唆にみちており、かささぎと太宰府と大伴家持とはるかむかしの九州王朝説とをなぜか思い起こさせる。 」(『暦論』)  こんなハッタリをついかいてもうた。「七夕の国」は、そういうのじゃないんだよね。よんでみたらわかりますが。・・・なんでかな。潜在的需要に訴えたかったのね、邪馬台国の読者って多いから。・・うそってわかったら、はりたおされるかも。あ。時間ない。ほんじゃ、いってきます。

2008年7月 3日 (木)

あべしげさんの書評から

『恋と伯爵と大正デモクラシー』 山本一生 著

    阿部 重夫

歴史は時代の哀しみを語る。それなくして史家を名乗る資格はない。私は生来の怠惰に加え、古人の書牘を読み解く学識と考証が不足している。書物の森に深く分け入って、徒労も辞さず埋もれた固有名詞を追う「訓詁探偵」の無垢の情熱にも乏しいから、そういう史家には脱帽するばかりである。

けれど、いつのまにか、そんな史家が消えて久しい。平成はたった一人の司馬遷、一人の森鴎外も出せずに終わるのか。

今は、否、と言おう。

久留米藩二十一万石の伯爵家を背負った有馬頼寧(一八八四~一九五七)の人生の一隅を照らした史伝がここに出現した。一見、トリヴィアルな秘話発掘とも読めるのは、頼寧の名がすでに忘却の波間に沈みかけているからだろう。

辛うじて記憶にとどめている人でも、中央競馬の年末のフィナーレを飾る「有馬記念」のもとになった中山グランプリの生みの親、そして精々が直木賞作家、有馬頼義の父というくらいの知識だろうか。

しかし、この本は頼寧の波乱万丈の一生を追うものではない。大正八年のたった一年、頼寧が断念した恋に絞って、あとは枝葉と思い切り刈りこんでいる。だから狷介詰屈な『渋江抽斎』のように、素養がなければ歯が立たない鴎外の重苦しい史伝とは趣を異にし、優れた小説のように芳醇で読みやすい。

頼寧の生涯を知りたいなら、巻末の年譜(簡にして要を得た記述は春秋左氏伝の筆法である)で一望すればいい。華族の桎梏に屈したこの哀しい恋を浮かびあがらせ、一斑にして全豹を知らしめんとした工夫がよく分かる。

歴史上の頼寧はA級戦犯容疑で巣鴨プリズンに八カ月半収監された人だ。学習院高等科時代から近衛文麿や木戸幸一、志賀直哉らと親しく、襲爵前は農商務省に入省しており、貧民教育や差別撤廃運動、農民運動や労働運動などに私財を投じた善意の華族政治家である。

産業組合中央金庫(現在の農林中金)理事長から産業組合中央会(のちの全中)会頭を経て、第一次近衛内閣では農林大臣に指名された。その後も近衛の新体制運動に参画、「大政翼賛会」の事務総長を務めながら、国策イデオローグたちに「アカ」と呼ばれて集中砲火を浴び、近衛の切り捨てによって失脚した。

山あり谷あり、人物も魅力的なのに、本格的な伝記が書かれなかったのが不思議である。もっとも「世の中で一番嫌いなものは銅像と伝記」と頼寧本人が峻拒し、戦後に沈痛な自伝の筆を執っただけに、なまなかな史家や伝記作者の手には負えなかったのだろう。

作者はそこに挑戦した。アカデミシャンではない。石油会社で経理を担当し、のちフリーランスとなって競馬の血統研究の翻訳や、秀逸な競馬文化論を書いてきた在野の人である。九〇年代から刊行が始まった有馬頼寧日記全五巻を編纂した伊藤隆東大名誉教授に薦められ、索引づくりを手伝うことになった。

日記には詳細な注が必要で、フルネームでない名称、略称、愛称の正体を突き止めるのは容易なことではない。資料渉猟は頼寧日記のみならず、有馬家を支配した枢密院議長倉富勇三郎の日記や、信愛学院史、民俗学の柳田国男から俳人の松根東洋城など広範囲に及ぶ。その徹底した博捜からこの作品は生まれた。

劈頭、都立中央図書館の検索キーボードを叩く場面に始まるように、これは一種の追跡ミステリーである。読者はいつのまにか「検索の猟犬」となって、ひたすら謎を追っている。日記に点綴された「ミドリ」「M」とはいかなる恋人なのか。親友「八重ちゃん」の業病は何だったのか……。

驚くべき発見があった。意外さは奇遇の域を超えている。やはり、優れたノンフィクションは凡百のミステリーにまさるのだ。私のようなジャーナリストはそこで納得するが、作者は立ちどまらない。頼寧とミドリの別れのクライマックスは虚実の境を越え、ほとんど二人に仮託したモノローグになっていく。

実を言うと、作者と評者は高校以来の友人である。彼は伊藤門下の優駿だったが、大学紛争の余燼で院を受験しなかった。当時は「ボンクラが大学に残るのさ」とうそぶき、在野の意地に生きた。「所詮、学者は史家ではない」というのが僕らの結論である。身びいきでなく言うが、この本はその渇を癒してくれた。

「思い残すことはもうない」

作者はそう言う。でも、この本を読ませたかった友がいる。五月に亡くなった作家、藤原伊織である。大学でみな一緒だった。

二人の作品は同じ哀しみをたたえている。消えた時代の哀しみを。

2007年10月03日 http://facta.co.jp/blog/
書評欄http://facta.co.jp/blog/archives/20071003000529.htmlより無断引用

あべしげさんの文章は、とてもかちっとしているくせに叙情的で、こころ騒ぐ。1991年2月、いちまいの拾った新聞でよんで以来、あたまから離れないなにかがある。引用した文章はそんな彼の特質がよく出ている。
「一斑にして全豹を知らしめんとした工夫」・・・、これ、こんな言葉が自然にくちから「ふっとでる(八女の方言)」、なんだかすごくない。ほれぼれします。

2008年7月 2日 (水)

わたしのしごと

九時から四時まで警備会社で事務をしてます。
職場は理想的、人も環境もすごくきもちがいい。

雑居ビルで、ぐるりに草の原があります。
以前にやくざやさんが住んでいて銃をぶっぱなす事件があったらしく、住民が出て行ってしまい空室が目立ちますが、今は物騒なひとはいないです。犬は飼い放題、静かでとても快適です。
まったく、なにが幸いするかわかりませんね。
通勤のガソリンはとても高くなったけれど。

私の仕事は毎月のお給料計算と受託先への請求書作成。それと隊員さんが遠いところから出てきてる孤独な人が多いので、はげますことも大切なしごとです。事務は手仕事です。パソコンはまちがえても直しが楽な分記憶が薄いのですが、手で書くと人の名前や契約先の名前を忘れません。

間違えないようにやってても、時にまちがえます。先月、なぜか書きかけの未完成品だったのにそれと気付かず、長い長い四枚つづりの請求書を大きな得意先にお出ししてしまいました。
私が見直し、さらにボスが見直してもわからなかったミスなんです。こちらがうんと損をするいたーい請求漏れ。あーあ。(ちゃんとあとで気付いたから、こうして書いているんですが)。あちらからは、ここの経理はアホじゃて思われてしまったようです・・。

だから、年金で記載ミスうんぬんの話、ぜったい笑いません。人が入力するんだもの、間違うよ。

隊員さんがどんなにいっしょけんめい働いても、請求しなければお金は入ってきません。多忙で事務が間に合わず、お給料支払いができず潰れた会社が実際にあります。そのおかげでうちが仕事がいただけましたが・・。

なにが幸いするかわかりませんよね。

追伸:

こんどの六日、久留米六角堂広場で「湘南の風」のメンバー1人ほかレゲエ、ヒップホップミュージシャンたちのジョイントコンサートがあるんですが、その警備をやります。あんな狭いとこに2000人も入るん。むすこにきけば、とても人気が高いバンドだそう。しらべると、私も聞いたことあった、かれらの純恋歌。これまでボクシングとかマラソンとか野球とか競輪とか闘牛など体育会系のイベント警備しかやったことなくて、こんな若者向けレゲエバンドの警備は初めてなので、隊長は目下群集心理と空間との関係を研究中。え。そんなヒマじゃないか。当日の晴れと無事を祈る。(雨天決行とのこと)

湘南の風、わたしもみにいきたい。

FACTA 2 アメリカ大統領選

大統領選を通じ、ファクタ学校で学ぶアメリカ。
その第二段。

(では、ファクタフォーラムから引かせてもらいます。)

阿部 日本人には考えられないほど長い耐久レース。国民に飽きはきませんか。

カーティス 長びいた選挙戦で面白い変化が起きました。キャンペーンが長すぎるとか、お金がかかりすぎるとかの声はほとんどきかない。専門家にも分からないこの複雑なマラソンレースをいいなと思う人が多くなった。もしも1月だけで候補選びをやれば、クリントンが大統領候補になった。オバマさんを知らない人が多かった。が、オバマのすばらしさがわかってきて、今の時点では「ヒラリー大嫌い」と思うアメリカ人が多くなった。演説はみな上手ですが、問題は候補者の人格や性格。それが見えてきた。

プライマリー(予備選)は大勢の人たちの前で演説し、テレビ広告新聞広告をする。コーカス(党員大会)は20人、30人が集まってコーヒーを飲みながらオバマかヒラリーを囲んで話し合う。プライマリーはホールセール、卸売りの政治、コーカスはリテール、小売の政治です。両方あるのが非常にいいと思う人が増えた。

また、インターネットが選挙に革命を起こしました。オバマは2月だけで55億円集めた。それを寄付したのが73万人。100ドル以下が90%、20ドル以下がその半分。すでにオバマは150万人から寄付を集めている。ヒラリーはたぶんその半分くらい。これまでのように利益団体とか労働組合とか大企業の寄付だけではなく、貧しいおばあちゃんが封筒に入れて送ったり、学生がVISAカードで送ったりする例が増えている。これは政治参加ですね。少しの金額を寄付することですごくコミットメント(関与度)が大きい。

日本は選挙の公示となると、ネット献金ばかりか候補者がメールをして有権者とコミュニケーションすることが禁止されています。ネットの影響力をよくわかっているのがオバマですね。彼は21世紀の候補者、ヒラリーは20世紀の候補者、マケインはどちらかというと19世紀の候補者かもしれないですね(笑)。

阿部 しかしオバマの肌の色は不利ではないのですか。

カーティス 日本では黒人というが、アメリカでは彼をアフリカ系アメリカ人とよく言います。オバマはお父さんがケニア人、お母さんが白人です。彼のおかげで今、アメリカの黒人は、イタリア系など他のアメリカ人と同じように、アフリカ系アメリカ人と呼ばれるようになった。この意味は大きい。

面白いことに、1月の中旬ごろまでニューヨークの黒人のタクシー運転手に聞いても、一人もオバマ支持者はいなかった。「残念ながらこの国はまだ黒人を大統領にする国になっていない。それよりもヒラリーを支持して民主党政権にすることのほうが大事」といっていた。しかし、住民のほとんどが白人という州でオバマが勝つと、アメリカの黒人に大きな衝撃を与えた。オバマは大統領になれるかもしれない、そうなれば新しい希望を持てる――というムードが強まった。

私もその通りだと思います。オバマが民主党候補になって無党派層の支持も集め、大統領になったら、アメリカ国内だけではなく、世界にとってもいいことだと思う。

阿部重夫編集長ブログ:http://facta.co.jp/blog/より引用。

2008年7月 1日 (火)

草の原

れぎおんの「連句的」がかけなくて悶々とした。

夫は帰らない。文章は書けない。

ぎりぎりまで自分の心を追い詰めておいつめて。

それでも書けないんで、無心に本をよむ。

塚本邦雄にはほんとうに感謝のほかない。

この人はなんてすごい人だ。

ある歌の解説に、唐突に景が浮かぶ。

草むすお墓、たぶん今ごろはあちこちぬかるんでいるかもしれない。海を眺める丘にある貞永まことのお墓。
生石という港町、鼻先からはフェリーが出た。近くには「かんたん」という名の色町が地名だけにその名残をとどめて・・・貞永さんが話してくれた通りの町だった。邯鄲の夢、一睡の夢。

生涯の夏ひっさげて眠る墓    前田圭衛子

まことさんはそこに眠っているだろうか。
草の原のお墓に。

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