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2008年6月 9日 (月)

「肥後飢餓講」星永文夫初期作品集Ⅱ

「肥後飢餓講」星永文夫初期作品集Ⅱ

がたみずのんだこんからだ
もいちどうみばみろごたる

      星永文夫

 この飢えはどこから来るのか。魚のように群れてひろがる。と、急に向きかえて尖る、このしたたかな不在。
 かつて馬に乗って来たはじめての父たち。彼等はいつか不知火の塩くみとなり、なりわいはふつふつと塩釜にたぎる、はなやかな喪失。
 私は知っているのだ。私の飢えの盆地に、冷たくたぎる火のあることを。それは決して連帯しないことを。

 今。街に出て、立てるべき幟(はた)を持たない。潮のようにながれる、自らの速さを知らない。黙ってよるべなく、壁に影する黄金(きん)のこおろぎ。こおろぎたち。
 私は見ていた。変容のとき。僥倖を得たのだ。自らの黄金のこおろぎ。
 
 飢えが武装する。飢えない昼に飢えて。ねずみ花火に火をつける。海が常にまるくひろがるから。

   本多企画 平成20年4月1日発行 

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