無料ブログはココログ

« くるす野 その2 | トップページ | 赤とんぼ »

2008年4月 5日 (土)

大石政則日記 その20

昭和二十年四月五日

・・・・・・・・・・・・(ノート破損で読めず)、予は特に貴島中尉との縁深ければチョークを自ら拂(はら)い、また寫眞(しゃしん)を撮影す。宇佐空十機、姫空白鷺隊は十四機なり。一七三○第三次特攻隊編成発表され、予もまたその一に加わり得るの光栄を有す。偵察員小野寺少尉(十三期)、電信員久保田二飛曹、共に死を同じくするペアなり。山田大尉指揮官、学生の加わる者四名、即ち村瀬、田平、富士原、大石少尉なり。日の丸入りの鉢巻、お守り等を頂く。上陸許可となりしを以て一九四九の汽車にて亀川の久恒氏宅に赴く。すでにご就寝中なりしを起こして一泊す。当日中垣少尉も艦爆第三次特攻に加わりしを以て一五○○頃来たり、一九四七にて帰隊せし由。「大石さんも来る頃だが」 としきりに待ちありし由なり。○時に床に就く。

『ペンを剣に代えて』 (西日本新聞社刊)
特攻学徒兵海軍少尉 大石政則日記
          大石政隆編より
表紙写真のある紹介記事:

http://www.geocities.jp/masa030308jp/penoturuginikaete.htm

参照)

亀川駅 http://www5e.biglobe.ne.jp/~ekisya/kamegawast.htm 
     http://www.excite.co.jp/transfer/station/7521.html

参照記事:

姫野が縁によりいただいた資料を抄出のかたちで添付します。

同期の桜

       渋谷 幽哉

政則君と小生の縁は、相浦海兵団、土浦海軍航空隊、出水海軍航空隊と一緒であったが、夫々(それぞれ)分隊が異なっていたので親しく話をすることもなかった。昭和十九年九月二十八日、共に宇佐海軍航空隊の艦攻隊(操縦)に入って「同期の桜」としての強い絆に結ばれるようになった。「艦攻」総勢六十四名で「艦爆」と板壁一枚の隣り合わせであった。攻も爆も夫々、だだっ広い一間に雑然と入居していた様子は、海兵団と大差なく、その上、依然として「つり床」であったから、お世辞にも指令室とかガンルームとか言える代物ではなく、要するに兵舎であったのである。まあそんなことからも、第十四期飛行専修予備学生の海軍における処遇がわかろうというものである。

飛行作業始まる

そんな中で飛行作業の滑り出しは比較的順調かのように思えたが、入隊間もない十月三日、突如、艦攻(九七式艦上攻撃機)慣熟飛行*において、岡田、疋田両学生が墜死するという思わざる事故に遭遇した。覚悟はしていたものの、つい先程まで其処に居た二人が急にいなくなってしまう、そしてそれが当然視されるような特殊な雰囲気の中で、ただ飛ぶこと以外に考えられない日が続いた。

飛べない日々

しかし年末が近づくにつれて、訓練の死命を制する「燃料不足」という泣くに泣けぬ難関にぶつかってしまった。亜号燃料(アルコール)が登場して来たのもそれを証明しているようなものだ。そして飛ぶことを渇望しながら、飛べない日が次第に多くなりはじめた。

特攻訓練

明けて昭和二十年二月二十日に至り、限りのある燃料を更に最大限に節約するため、艦攻隊から十六名の者を選び、急速養成して特攻に充当するという窮余の一策が実施された。大石君も小生も選ばれて、連日猛烈に飛んだ。飛べない同期に対しては誠に気の毒の限りである。おかげで、夜間飛行、夜間定着なども実施された。然しながら、三月に入ると、さながら爪に火をともす思いで続けられた飛行作業に、更に追い討ちをかける敵機動部隊艦載機群による九州各航空隊に対する攻撃が激化し、なけなしの飛行機を焼失したり、掩体壕にかくしたり、比較的安全な航空隊(第二美保)に退避するなど正常な訓練をするゆとりもなくなった。(つづく)。

* 慣熟飛行とは・・・飛行機に慣れるための飛行。

この十月三日の二名の学生の事故死については、大石政則日記にも詳しい記載がありますが、引用を控えます。(事故の前日、大石政則学生が使用した機、同機に添乗した教官と前日にペアを組んだ二人が、そっくりそのまま翌三日の事故で一瞬にして尊い一命を亡くされたことに、ふしぎな因縁みたいなものを感じ、感無量だったこと、ショックだったことを大石政則さんは同日の日記に綴っておられます。)

« くるす野 その2 | トップページ | 赤とんぼ »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大石政則日記 その20:

« くるす野 その2 | トップページ | 赤とんぼ »

最近のトラックバック

2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29