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2008年2月18日 (月)

大石政則日記 その8

昭和二十年二月十八日

敵の機動部隊本土近辺遊曳(ゆうえい)、関東各飛行場の襲撃相次ぐ。正に国難我らの頭上にあり。先に相次いで神風特攻隊必死必中の体当りをなす。未だに神風は吹き起こらざるか。戦局日ごとに我に不運不利なり。忠勇の士の全身全霊、肉片を傾けつくしても敵の侵攻を阻み、国体の防護を全うすべからざるか。
我に飛行機あらばと今更嘆くも愚かなり。少数のこの機数にて国家を守らざるべからざる苦しき現実に我らはあるなり。残るは特攻あるのみ。
銀河隊は特攻半数にして、そは各々胴体に八十番(註・八00キロ爆弾)一個を触発爆発の状況にて抱く。また一式の部隊の方は武道場玄関に「桜花隊白虎の志士、天誅(てんちゅう)岡村一家駐屯所」と掲げあり。宇佐空は主基地と化したり。殺風漲(みなぎ)ることおびただし。
室戸岬沖に航空母艦現るとの報に、当隊内色めき立つ。銀河特攻隊遂に当飛行場より出撃す。飛行場に全員見送りの隊形に並ぶ。隊長機21号を先頭に単機ずつ北西へ向け、飛行場一杯一杯にて離陸をなす。我ら皆帽を振る。彼また手を振り、挙手の礼をなし轟音を残して行く。特攻隊の志士を眼前に送る。我らの胸中言いつくすべからず。頭にしめたる日の丸入りの白鉢巻印象深かりき。それより飛行機の分散を行う。
艦攻隊六十名より十六名のみ選び、練習生の三十四名と共に飛行作業猛訓練開始せらるることとなる。思うに米の進攻の前に皇国の安泰も危機を増し、之に加うるに南方よりの原油入らず。飛行機また訓練に充分ならず。現在の全学生、全練習生を全部一定のレベルに引き上げ、同時に送り出す如きは到底不可能なるを以て、かく処置せられたるなり。残留の学生の間には不満の気充満せるも、亦(また)止むを得じ。彼らは専ら自習の予定。他に防空施設に当る模様なり。

『ペンを剣に代えて』 (西日本新聞社刊)
特攻学徒兵海軍少尉 大石政則日記
          大石政隆編より
表紙写真のある紹介記事:

http://www.geocities.jp/masa030308jp/penoturuginikaete.htm

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コメント

いよいよ運命がきまる日に近づいてきましたね。
大石政則で検索すると、本を読んでくれた見ず知らずの人が掲示板で感想を話してくれていたりします。
再び後世で見ず知らずの人が自分のことを話題にしてくれる・・・・。
「朝鮮全土を歩いた日本人 農学者・高橋昇の生涯」もまったく同じだと思います。

ほぼ同時期にhimeno力の息がかかってるようです。
いいえ、私は何もしていない・・・と言うかも知れませんが、何かある。

今度はぜひ正義おじさんを遊就館のあの一角におつれください。

さくらさん。今日は長女の26歳の誕生日です。独身です。博多に一人で暮らしてます。年々しっかりしてきて、人へのきづかいも出来るようになってきました。ありがたいことです。それはまあいいんですが、昨日、写真が出来上がってきました。長男が取りに行ってくれました。きれいに修復されて、兵隊おっちゃんはうれしそうです。これを郵便で送るか、手でもってゆくか、思案のしどころです。長男と次男を連れて参拝したい想いがあります。

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