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2008年2月 3日 (日)

朝鮮全土を歩いた日本人

日本評論社から『朝鮮全土を歩いた日本人ー農学者・高橋昇の生涯』 (河田宏著)が出版された。

かささぎの旗では高橋昇博士のことを以前少々ご紹介していたご縁があり、著者の河田氏より一冊を贈呈された。折りしも中国からの食品に農薬が入っていて犠牲者が発生した事件により日本中が激震しているこの時機、国の「体」をなす農業とはなにか、農作物を作る農民はどんな苦労をするのかを知るためにも、ひろく読まれて欲しい一冊である。

植民地時代、朝鮮の農法は遅れたものとされ、日本農法を押しつけられた。それに反対した農学者がいた。総督府農業試験場西鮮支場長・高橋昇である。彼は朝鮮全土を調査して歩き、膨大な資料を残した。そこには、朝鮮のきびしい風土に対応した驚嘆すべき農法があった。(帯文)

オモテ表紙にはむかしの木造の小学校みたいなかの地の農場試験場の建物の前で、帽子を手にロングコート姿の壮年の博士が笑みを浮かべて立っている写真が掲げられているが、博士の左肩のうしろあたり、背景の建物の壁に埋め込まれた日の丸が、大日本帝国時代の雰囲気を雄弁に物語っている。

ウラ表紙には、十歳未満の朝鮮の少女がふたり、背中に麦藁束*をしょって、石垣の坂道を下っている写真が取られている。博士の写真も少女の写真も、人物の影がくっきり地面に落ちているのが印象的だ。

以下に目次と著者を紹介しておきたい。

第一章 筑後の山河
第二章 境涯の地へ
第三章 欧米視察旅行
第四章 黄海道沙里院
第五章 農業実態調査
第六章 日本の敗戦と朝鮮の孤立
第七章 『朝鮮半島の農法と農民』 の出版

著者略歴

河田 宏(かわだ ひろし)

1931年東京生まれ。
早稲田大学文学部社会学科中退。以後、日本近現代史、軍事史を中心に著述。
著書:『日本人の攻撃性』(共著、三一書房)、『明治四十三年の転轍』(社会思想社)、『第一次大戦と水野博徳』(三一書房)、『満州建国大学物語』(原書房)、『内なる祖国』(原書房)

『朝鮮全土を歩いた日本人ー農学者・高橋昇の生涯』
  2007年12月20日初刷本より引用

*麦藁と書きましたが、どうもいま一つ自信がありません。ほかに考えられるのは高粱の藁。見たことがないのです。調べると、こうりゃんのわらって、家の材料になるようなものらしい。ではちがうのか。http://www.lib.kobe-u.ac.jp/das/jsp/ja/ContentViewM.jsp?METAID=00486665&TYPE=HTML_FILE&POS=1&TOP_METAID=00486665

かささぎの旗『農学者高橋昇』の第一回http://tokowotome.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_09fb.html

表紙写真付き本の紹介:http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31998507

参照:http://medakadaigaku.hp.infoseek.co.jp/kimurakouza01.htm
   http://www.ihatov.cc/blog/archives/2006/02/post_350.htm

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コメント

西日本新聞で見て、kyoukoさんのいつも書かれていた本だと思いました。戸畑図書館にリクエストします。

鍬塚さん、ありがとうございます。
この本を読むと、知らなかったことをたくさん教えられる。知ってるようで、なにもしらなかったと気づかされる。

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