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2007年11月 9日 (金)

白の基準

大阪のスミサクさんの川柳誌「点鐘」を毎号ありがたく面白く読ませていただいてます。今号125号から、気になる一句を。

大根を白の基準にしてよいか 神谷三八朗

これは現代俳句としても通用する句ですよね。ぱっと読み下せて、しかも何かのキャッチみたいにすんなり心におさまり、じわっと波紋を呼び起こす。こんなふうに。夏が終わりきらなかったこの十月、現場にたっているときに、酔芙蓉を観察できた。じっくり、時間の変化とともに変わる色を見ていた。うわあ、まっしろで、きれいだなあって思ったのは朝の一瞬だけだった気がする。手にとってみたとき、花はうらがわに既にうっすら紅色がさしていたからだ。日とともにどんどんそれは赤みをおび、最後には花笠音頭みたいな桃色になってしまった。翌日もそこへ行くと、前の日の朝、白い花を一つとり土にさしておいたのが、やはり花笠音頭色になっていた。へえ・・・。おもしろい花だ。日に当るとピンクに染まるなんて。一瞬だけの純白の色が、いつまでも心に残った。そのときできた句。

掘り立ての人孔一基酔芙蓉  恭子
純白の時は一瞬酔芙蓉  
酔芙蓉闇穴道のうすあかり

大根を白の基準にしてよいか。

よい。それはつまり、大根の種類を選ぶということだ。俳人の私はそう受け止めた。太い大根ほど白くてあまい。細めの大根は辛口で、白色も自から抑えているかんじの白さだ。

そこから黒へと話をずらす。
この夏、お針子の叔母が、母の婚礼着物を私の夏用スーツにリフォームしてくれた。古い黒の紋付であったが、シンメトリーでモダンな服に仕立てなおしてくれた。黒もまた、たくさんの黒がある。高級な黒は、真っ黒ではない。さっきの辛口大根の白みたいな黒、艶消しの黒、醒めた黒とでもいう色である。そのことが、なにかとても不思議な気がする。

ほかに目に付いた句は・・、句じゃないんだけど、印象に残ったことばは、すみさくさんの文章のなかの、「笠塔婆」ということば。ああ、あれかなあ。とすぐ浮かぶお墓のかたち。それがなんという名前かを知らなかったので、思いがけず教えてもらった気がしてうれしい。笠塔婆、かさとば、でよみはいいんだろうか。

海堀酔月の死へ  

    墨 作二郎

無駄は聞かない 補聴器の耳神の耳
取りあえず眼鏡を拭いて 道化の時間
いつも歴史は黄河の流れ 花の音楽
石灯篭倒れて 命めぐらせて
ガラス絵に裸婦がゆがんで 異端の指
十月の郵便ポスト うしろ姿
「両忘」を読めば 雨音繰返す

   『現代川柳 点鐘』第125号より
   平成19年11月、墨作二郎編集発行

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コメント

カメラ用語で「ホワイトバランス」というのがあります。
普通に写真を撮ると白いものが白く写らないで、グレーになります。

白熱球・蛍光灯・太陽光・日陰などとカメラに指定してやると、指定した光の種類を考慮して白いものを出来るだけ白く写してくれると言うものです。

そうなんでありましたか。
さくらさんの息子さんのご結婚式でのお写真、あれはホワイトバランスで失敗したって書かれてましたね。なんのこっちゃとさっぱりわからなかった。この説明を読んでも、いまいちいまにいまさんくらい、わかりませんとも。機械がやってくれるというのだけはわかるけど。

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