無料ブログはココログ

« 台風のさなかに | トップページ | 東国原ブランド里芋 »

2007年8月 5日 (日)

歌仙 『煩悩の指』

故・貞永まことの連句年譜を調べておりますと、前田圭衛子師がはじめて博多へ連句張行へみえたときの作品が出てきました。場所は中洲の煉瓦館(辰野金吾設計)。みなさん初めてなのにのりのりで、座が浮き上がるようなふしぎな高揚感がありました。丸い卓を囲み、短冊を何枚も競ってだしたことが、まるで昨日のことのようです。こうして振り返りますと、現代俳句界の錚々たるメンバーでございました、私以外は。引きます。

   歌仙 『煩悩の指』

            前田 圭衛子・捌

 火の国の草海原を霞むかな   貞永まこと
   馬の親子の踏みし蓬生    鍬塚 聰子
 月昇る煉瓦館に夏近し      晴野みなと
   楽屋裏でもコンダクターで   姫野 恭子 
 集まれば力の渦となる君ら    鮫島 康子
   メロンパンほど美味はなきなり   聰子
裏 汗の手の穴ずらしたり腕時計     まこと
   青色硝子にとり囲まれて      聰子
  いつまでも開けられずいる文の筥  恭子
   ある夜の羽衣ふわと匂えり     みなと
  愛告げて彼は浪速に帰ると言う    康子
   扉のかげで仔猫すり寄る      まこと
  煩悩の指捨てにゆく月天心      聰子
   遊動円木星降らしめよ        康子
  冷凍のまま摺りおろす古(ひね)生姜 恭子
   風になぶられ立つ一輪車       まこと
  花の雨誰かが連れてゆく少女   筑網敦子 
   胸の底までつづく陽炎        聰子
ナオ 
 うららかといえど魚には泪あり    みなと
   竹の尺にて子の尻をぶつ     恭子
 廃屋の庇の下に寝てみれば     まこと
   たったひとりの植民地にて    敦子
 魔がさして赤松つるんと艶めきぬ   恭子
   吐息あつめる荒き潮騒      みなと
 含羞は煙のごとく続くもの      聰子
   広辞苑には酒の文字あり    聰子
 都府楼路大黒天を励ましに    恭子
   旅から旅へ襤褸(らんる)つなぎぬ まこと
 畝に雪冴えて半分だけの月     恭子
   銀粉こぼし傾ぐ凍蝶       康子
ナウ口内炎すんでのところ懐手    聰子
   まずはまずはと留守をきめこみ  まこと
  ハルピンの東南東へ送信す    敦子
   しんしんしんと骨の小さき    聰子
  空いちまい使って花が満開です  康子
   禁煙区なり笑み給う山      みなと

  平成九年四月九日首尾
  於・福岡市赤煉瓦文化館

メモ) 天籟通信の筑網敦子氏は途中からの参加、はじめてお会いしたのですが、とても美しいかたでした。みなとさん、康子さんともにベテラン、何を出されても洗練されていて、詩(さま)になってました。

連句誌『れぎおん』 1997・夏・18号所収

« 台風のさなかに | トップページ | 東国原ブランド里芋 »

コメント

なんか知らんけど、どさくさまぎれにコメント
入れとったようやけど、無理が通れば道理が
引っ込むとは、よう言ったもんや(笑)

この間のお誘いを蹴ったお詫びじゃないが、
私も非情じゃなかばい。少しは気を遣う?
ご依頼の一句を。

一目惚れ言葉いらない蜃気楼

よく分からないけど、前句に消えるがあったので、
本当は言葉が消えるとしたかったんだけど。
それと五七五か七七なのかも分からんたい(笑)

ばどさん。なになに。無理が通れば道理がひっこむって。それどんな意味。むづかしすぎてわからないよ。いつだったか、上人閑居して不善をなす。って書いたら、ほんとは小人だったよ。深層意識がでるね。笑

つけ句、ありがとう。うーん。なんかさ。てれるね。(おれがてれてどうする)。川柳の人だなあっておもう、やっぱばどさん。いま、伽具耶さんからも来た。伽具耶は俳人だから、ね。余情で、一本勝ち。伽具耶姫の勝ち。こんな流れ。一句前を変えてきた。
  夏の匂いと投げ出した足
よそ夕立ち宿帳は外一名と
  写メール消せば消える思い出 
そらんさんには頼めなかった何となく。又誘うね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 歌仙 『煩悩の指』:

« 台風のさなかに | トップページ | 東国原ブランド里芋 »

最近のトラックバック

2020年2月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29