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2006年11月16日 (木)

礼と菊

  礼と菊 
             姫野恭子

戦後61年の戦没者慰霊祭
大会場にはまばらな参列者

もう参列しても記念品はくれない
もらうのは白い菊の花一本だけ

菊の花一本だけでは
不足だというのだろうか

それとも壇上での頭ぺこりの儀式が
単につまんないだけかもしれないな

中央に戦没者の霊のように白菊の花は横たえられて
左右には市のえらいひとたち 校区のえらいひとたち

献花の儀式は妙に滑稽で
笑いをこらえるのに必死で

代表者が申し合わせたように前に進み出ては
戦没者の霊にお尻を向け観客に礼をするから

ぺこり

次に向かい合っているお偉いさんに

ぺこり

さいごにようやく 戦没者の霊にむかって進み 

ぺこり

白菊を一本 恭しく 捧げ奉るすがたは
まるでかささぎの巣作りを見ているようで

マイクにごつんと頭をぶつける人がいた
だってあまりふかぶかと頭をさげるから

全部で何人分の礼を見届けたろうか
スイッチ一つで切り替わればいいのに

なんて不謹慎なことを思いながら
来年もまた 来るんだろうなここに

これは慰霊という名の 礼のカタチなのだから
慰め鎮められるのは 他ならぬ自分たちの霊

ノハズ

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