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2006年10月24日 (火)

校正

連句誌れぎおんの前田圭衛子氏をすごいなあと感じるのは、連句の捌としてのみならず、れぎおん一誌分の原稿打ち込みを、全てご自身のワープロで独りでやっておられることだ。しかーも!のっとおんりーばっとおーるそう,それだけでも大儀なことなのに、校正をきちんとなさる。スジをきっちり通される。なまなかな美学ではない。

管見ではあるが、ああいう風にきっちり自分の入力した原稿を再び作者に送って、著者校正を求められる編集者は、業界広しと言えどもれぎおんの前田さんだけである。それだけ同人誌の世界は忙しく余裕がない。

このごろわかってきたが、みんなとても忙しくて、人のものをじっくり味わって読んでいるヒマ人なんてないに等しい。本は大量に出る。でも関係者以外読んでいない。知名の人には本が各方面からどどどどっと送られ、ぬえの如き悲鳴があがる。それをこのどいなかの八女の地で垣間聞くにつけ、しみじみ無名である幸せをおもう。好きな時に読みたい本を借りてきてあるいは買ってきて、好きなように読める幸せは、夫にもこどもにもおやにもあいじん(いないけど)にもおかね(ないけど)にも、何ものにも代えがたい。

俳句の超結社誌・「九州俳句」誌の中村重義編集長が去年体調を崩されたことでも分かるが、一誌を抱えるということがいかに大変な労力気力を強いられるか。原稿を遅らかして侘びの電話を入れた時、中村編集長から「一日も気を抜けないのですよ」という愚痴を一度だけお伺いしたことがある。事務的な気力労力が予想外に要るらしい。会費の入金で払った払わないと記憶があやふやな人があり、とても困るのです、と。そういうトラブル処理にも奔走しなければならない。加えてあちこちから本が毎日のようにどさっどさっと送られてくる。読もうかという気になるどころか、パニックにならないほうがどうかしている。よほど神経が太くなければ、編集の仕事は務まらないんだなと思ったことだった。

ということはだ。やはりわたしのようなにんげんは、ひとの役にもたたないことだし、夫もこどもも完全に自立しそうだし、おやもまだ持ちこたえてくれているし、時間があるということ、それだけがひたすら今はありがたく、本をすきなようによませてもらおうとおもいます。

で最後に、私は誤植があっても腹がたたない。自分が誤植のような人間だからかもしれない。

野間幸恵の句にあるんです。名句です。

 水の壁裸で眠る誤字だろう  幸恵

※ ぬえ http://www.asahi-net.or.jp/~ft1t-ocai/jgk/Jgk/Public/Other/Ten/monster/monster-12.html

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