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2006年10月 8日 (日)

歌仙「菊」 31

名残おもて

一  亀鳴くや張りて重たき右の乳  山本伽具耶(春、恋離れ、自)
二    どろどろどろっとぐちゃぐちゃぐちゃと   蛉(雑、場)
三  ああ僕の弔電四時に着くはずの     聰子(雑、無常、自)
四    吹雪の中をサラ金に行く           清志(冬、自)
五  餅を切る手に包丁の食ひ込みて      たから(新年、自)
六    二月になつて書く初日記           bud(新年、自)
七  むらさきの魚棲む昇仙峡の瀞         恭子(雑・場)
八    水の匂ひの消えぬ古寺       都  (雑・場・釈教)
九  学歴とか家柄とか太腿とか       蛉  (恋・半)
十    文字摺草のねぢれをとけば     聰子(恋・夏・場的自)
十一 有明にあなたが置いた月見草     bud  (夏月、恋・他)
十二   ベランダへ出るドア半開き      清志(場) 

ナウ
一 黒人霊歌(ソウル)流れ祈りは海の底に積む (神祇・音楽)
二    やはらか戦車退却します        蛉(場かな?)
三 酔客はただの茶漬けをご所望に      聰子(雑・他)
四                              bud
五                              たから
六                              清志

きのう夕刻には鍬塚さんが付け句を送ってくださっていたようで、ありがとうございました。ぱっとシカンダザでつけられる。即刻打座かな。只管打座は禅宗のことばか。石田波郷が戦争が終わって自分の俳句誌「鶴」を復刊するとき、朝日の新聞広告に打った宣伝文に「俳句は生活の裡に満目季節をのぞみ、蕭々朗々たる打座即刻のうた也」があったっけ(今秀野ノートに書いてたのを確認。)

杉浦先生から、なぜ特定の人には選句権もあげるのかと聞かれました。そうでした。自然にそうしてました。理由をきかれても返事に窮するんですが、都さんと鍬塚さんにこれまで二回と一回、前句の選句もお願いしました。自分の選句眼と同じか、知るためでした。都さんも聰子先生もずっと一緒にやってきた同志ですから、それとなく聞きやすかったのです。それは一応、おことわりしたと記憶していますが。経歴に敬意を表して、ということばで。

今回の杉浦先生の折端(おりはし)句は、さばきのはらをさぐられるような、ためされるような、なんともいえぬ句でした。そして、まさにこれこそが杉浦先生が、このメンバーのなかでは一番の古だぬきだと、もとい、連句歴を積んだベテランだとあかしする何よりの証拠物件でありました。初心者や若い人に花をもたせるのはなぜか。じつはそれがもっとも花あるところであるからと同時に、つかみどころがあるからだとおもうものです。恋句もそうです。だから、杉浦先生に苦い水をのんでもらって、折端のさりげない、しかし、それをみれば力がわかる句を担当してもらった。なめておられるようだったので、一発おみまいして正面を向いてもらった。先生、ほんとにごめんなさい。

都さんにどっちをとるときいたら、句についての意見、分析はほぼ同じだった。そうした上で、ベランダをとって、付け句してくれたのですが、これについても少々。観覧車の句は、以前彼女が詠んだ俳句で「かすかに揺れる観覧車」上五忘却。を覚えていたので、観覧車の句をつけてと頼んだものです。たしかにこれだと、人事句が多い重い流れの中で、気分を一掃し、はればれとした高みにでることができる。ところが、二句目にあった黒人霊歌。これに打たれてしまったのです。あのとき、口にはしなかったけれども、やはり都さんは、ベランダ句にある大きな不在を的確に感知し、それを壮大に響かせてくれていたんだと。

黒人霊歌:http://members12.tsukaeru.net/h-glee/reika.html
      :http://www6.ocn.ne.jp/~fleur/blessed_spirituals.html

犬の鼻の黒黒に不安を感じて拒否しながら、なぜベランダをとったのか、という思いがふつふつした。でも、この句をみて、おおそうだったと深くうなずくものがあった。黒人霊歌をソウルと呼ばせているけど、語呂がよかったのだろう。ゴスペルとかスピリチュアルとかいいますよね。でも一つです。すぐ浮ぶのは、アメイジンググレイスです。長男が博多の青松高校を見学にいったとき、アカペラ部の人たちがこのうたを歌ってくれたのを忘れません。ですが、最近ではグランドゼロでの詠唱がこころにのこっています。このようなことを、今朝になって考えました。とるときには勘です。理由はあとからついてくる。ああそうだったのかって。

そういうことに気づかせてくださった、杉浦先生に深く感謝いたします。そうそう。きのう引いた窪田薫の本に杉浦先生の書かれた文章がありました。

という前置きで、鍬塚さんの付け句です。

イ卓上にくるみ釦を並べたり
ロ酔客はただの茶漬けをご所望に
ハ真夜中の庭でトムは笑っている

前句が「やわらか戦車」なんですよね。とっても新鮮なことばです。それを蛉さんのブログのきのうのとこにみつけたとき、おおでかした!とおもった。さすがだ。蛉さんはかたいけど、じゅうぶんやらかい。色気はないけど、テレがある。だから、そこがいいんだよね。で、選句はもちろん、ロをいだだきます。酔客、茶漬け。この抜き加減。よいなあ、さすがだなあ。そして、なんと次の付け手は、よいどれ博徒のばどさん。なんというめぐりあわせなんだろう。神はわれをみすてたまはず。

次は、ばどさんに、花前の春の句をお願いします。季語がいりますが、早春のでも晩春のでもいいです。植物の季語は次が花だから控えてくださいね。ほかはなんでもどうぞ。雑の季語なしの句でもいいかと思いましたが、ばどさんにはあえて季語を入れて作ってほしいのです。おかあさんの句とかいいかも。おふくろ句。短句ですから、むずかしいですよ。では、まちます。

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コメント

恭子さんへ
酔客はまことさんです。降りてきてくれました。

わかってたよ。あの内田さんとこでいつぞや、よっぱらってぐにゅぐにゅしなった文字の付け句、わすれませんもの。ああほんんっとに貞永さんは懐かしいね!おとめさんともかぐやさんとも都さんとも、そのことを話したことです。あんな人はもういないんだろうね。でも、よべば降りてきてくれるのか。よかったよかった。

As Drewett was doubtless picturing to his mother, with intense expectation, not being the best circle of admiring landlords, that I thought, or guilt.

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