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2006年9月26日 (火)

「冬の日」第二歌仙

  おもへども壮年いまだころもを振はず
 はつ雪のことしも袴きてかへる   埜水(やすい)  自、冬
   霜にまだ見る蕣(あさがほ)の食(めし)  杜國  自、冬
 野菊までたづぬる蝶の羽お(を)れて   芭蕉     場、秋
   うづらふけれとくるまひきけり      荷兮(かけい) 自、秋
 麻呂が月袖に鞨鼓(かつこ)をならすらん  重五 他、秋月
   桃花をたをる貞徳の冨(とみ)      正平 他、春
ウラ
 雨こゆる淺香(あさか)の田螺ほりうへ(ゑ)て 杜國  場、春
       奥のきさらぎを只なきになく        埜水 場、春
床ふけて語ればいとこなる男          荷兮 恋、半
   縁さまたげの恨みのこりし         はせを(芭蕉) 半、恋
 口お(を)しと瘤(ふすべ)をちぎる力なき    野水  恋離れ、自
   明日はかたきのくび送りせん        重五  雑、半
 小三太(こさうだ)に盃とらせひとつうたひ   芭蕉  雑、半
   月は遅かれ牡丹ぬす人           杜國  夏月、他
 縄あみのかゞりはやぶれ壁落て        重五  場、雑
   こつこつとのみ地蔵切(きる)町      荷兮  場か他、釈教 
 初はなの世とや嫁(よめり)のいかめしく   杜國  春、花、他
   かぶろいくらの春ぞかはゆき       野水   春、他
名残オモテ
 櫛ばこに餅すゆ(う)るねやほのかなる   かけい 新年、場
   うぐひす起(おき)よ帋燭(しそく)とぼして  芭蕉 春、場か自
 篠(ささ)ふかく梢は柿の蔕(へた)さびし    野水 秋?、場か自
   三線(さみせん)からん不破のせき人(びと)  重五  雑、他
 道すがら美濃で打(うち)ける碁を忘る      芭蕉   雑、自
   ねざめねざめのさても七十           杜國  雑、自、老、述懐
 奉加(ほうが)めす御堂に金(こがね)うちになひ  重五  雑、場、釈教
   ひとつの傘の下(した)擧(こぞ)りさす     荷兮   雑、半
 蓮池に鷺の子遊ぶ夕ま暮(ぐれ)         杜國    夏、場
   まどに手づから薄様(うすやう)をすき     野水   雑、冬、自
 月にたてる唐輪(からわ)の髪の赤枯(がれ)て  荷兮  秋月、他
   戀せぬきぬた臨済(りんざい)をまつ   はせを  秋、恋、釈教、他
ナウ
 秋蝉(しうぜん)の虚(から)に聲きくしづかさは   野水 恋離れ、秋、場か自
   藤の實(み)つたふ雫(しづく)ほつちり     重五 秋、場
 袂より硯をひらき山かげに             芭蕉  雑、自
   ひとりは典侍(すけ)の局(つぼね)か内侍(ないし)か 杜國 雑、半
 三ケの花鸚鵡(あうむ)尾ながの鳥いくさ     重五   春、花、場
   しらかみいさむ越(こし)の獨活(うど)苅(かり) 荷兮  春、他、老

「芭蕉七部集」 冬の日 より第二歌仙

わたしは、このような古典(三百五十年くらい昔かなあ)をよみますと、いまやっているものが、どうもちがうような気がしてしようがありません。転じが、ぱっぱっと場面がかわることをさすんじゃなくて、もっとなんというか、じっくりしている。ゆったりしている。前句をきっちり受けて、次の句が出ている。時代のスピード感覚といってしまえばそれまでですが。この時代の歌仙を原点として、雪だるま式にふえていったに違いない無駄な式目(ほんとの意味での式目じゃないのかも)を考えてみたいのです。

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