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2006年4月 5日 (水)

花の雨

雨の日のさくらは、晴れた日よりも色を深める。

幹の色はより黒っぽくなり、花はピンク色がはっとするほど濃くなる。あしもとをたくさんのはなびらでよごしながらだまって雨にうたれている花は、風情があり匂いがある。

ことしもいきたいとおもう。阿蘇の白水村にある一心行の桜を見に。

去年、母を連れて初めて訪れたとき、そのひっそりとした絢爛さに圧倒された。大木の周囲は根を保護するために板が敷かれて、それが歩道ともなっていた。人の群れがゆっくりと移動する。流れに遅れながら、地に届きそうな花房に近づいたり、また遠くから台風で頭頂部を失った樹の全体を眺めたりして、飽きなかった。

なんにもないすりばちみたいな田圃のなかにぽつんと一本ある樹である。どなたか名のある武士の墓地を守る桜であったらしく、由緒書きもものものしくある。でもほとんどそういうことはとんでいき、ただ山の中の一本の桜の大樹のおおきな気息と風と人がいる。たくさんのたくさんの人を容れてくれる彼の息のおおきさ。

きっとまだ咲いてはいないだろう。

一心行のさくらのことを想い、落ちつかない日々である。

http://www.yado.co.jp/hana/kumamoto/issingyo/issingyo.htm

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