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2006年1月10日 (火)

一句の現場

正月、小さな俳句連句誌「摩天楼」(千葉・星野石雀主宰)に隔月連載させていただいてる随想「影ふみあそび」を書いていたところ、山頭火が出てきた。

   うしろ姿のしぐれてゆくか   山頭火

句碑は八女福島の公園内にあり、建立のいきさつもほぼ存じ上げているものの、なぜか句の持つ風土性というものがあって、思い込みの強い人間はそうやすやすと思い込みから抜け出ることが出来ない。わたしの想う句の現場は筑紫野の山の中である。菅原道真公が眠る筑紫野、安西均が生まれ育った筑紫野、大伴家持が少年時代を送った筑紫野。はろばろとした国のまほろば、の修辞が最も似合う処である。その山中を車でゆくとき、なぜか知らぬが必ず雨が降るのであった。雪が降るのであった。時雨れてくるのであった。ほかのところは嘘のように晴れているのに、そこにさしかかるとそこだけ天気が悪いのだ。こんなことってあるだろうか、といつもおもっていた。そうしたら、星野石雀師の随想「尾を噛む蛇」に、関が原を通るといつも天気が悪かった、と書かれている。それを読んでなぜか嬉しくなってきた。嬉しがるようなことではないのに、共鳴してる自分がいた。

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